[2022年12月5日]
まず最初に、今日の日記を読んでいただく上で、公立中高一貫入試の適性検査算数と、私立中学入試の学力試験型思考力算数は、少なくとも今のところは、まったくの別物であるということを理解しておいていただきたい。
加えて、
公立中高一貫入試の適性検査算数と、高校入試数学もまったくの別物である。
公立中高一貫入試の適性検査算数と、大学入試数学もまったくの別物である。
適性検査算数を学べば、将来の高校入試や大学入試に有利だというのは、どこかの営利企業の営業目的の宣伝文句でしかない。
逆に、中学入試算数を学べば、それで適性検査算数が解けるというのも、どこかの営利企業の営業目的の宣伝文句でしかない。
最適な攻略法は、それぞれに、全く違う。
その前提で、今日は、大学入試共通テストの数学について、考察する。
大学入試共通テスト数学では、思考力型数学を志向しつつあるが、この思考力数学も、見かけはともかく中身は、公立中高一貫入試の適性検査算数とは全く違う。
太郎と花子に騙されてはいけない。
さて、
国立情報学研究所が中心となって行われているプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の、AIロボット「東ロボくん」は、東大二次数学は得意なのに、共通テストの数学は1Aも2Bも得意ではない。
数学の記述型模試では偏差値70以上を達成しながら、数学のマーク式模試では偏差値50代の半ばしか出ない。
研究者の一人が、数学が最も得意な東ロボくんが、共テ数学で得点できない理由を考察している。
東ロボくんは、数学そのものは得意だけど、読解(問題文の読解)は苦手で、共テの設問(問題文)を適切かつ正確に読めなかったようなのである。
しかし、東ロボくんは、共テの英語は得意である。
ここら見えてくるのは、単純暗記や解法暗記やパターン暗記などの、単純学習やパターン学習に偏っていると、新しい学力観に基ずく、真に思考力型の問題には対応できないということだ。
ただ、古い学習法に偏っていても解けなくはない。
しかし、長い問題文や長いリード文を適切に読み取りなし、覚えている(暗記している)解法パターンを脳内で検索して引っ張り出し、それを組み合わせ、問題の意図に沿って組み立て直し、解き始めなけらばならない。
この方法だと、正答までに、やたらと時間がかかってしまう。
多くは時間切れとなって、制限時間内では全問に取組めず、満足な得点にはならないであろう。
市販や予備校の大学入試参考書や問題集などは、従来型の単純学習やパターン学習を踏襲しているものが、ほとんどである。
これらで対策をすれば、これらが対応している従来型の入試問題は解けるであろうが、新しい思考力型の入試問題は(時間内には)解けない。
これは特に前年度の大学入試数学(共テ数学)で顕著であった。
今後は、改革が進む大学入試英語などでも、顕在化する可能性が高い。
しかし、学校教員にも、塾講師や予備校講師にも、新しい入試問題に、即座に対応でき、即座に指導できる人材が不足している。
おそらく、学校現場でも、まだ十分に対応できては、いないはずだ。
過去の栄光に浸る教員や講師ほど、対応が難しいであろう。
近年、中高一貫校の英語現場では、「ニュー・トレジャー」などの検定外教科書が、どんどん使われなくなってきている。代わりに注目を集めているのが、なんと、改訂となった「新しい検定教科書」である。
従来から存在しながら、新しい出題方針にも対応できる教材や参考書や問題集が、ないわけではない。
どういう訳か、世間では、それらは今も、あまり注目されていない。
ただ、大型書店の参考書コーナーの隅には、かつても今も、しっかりと並んでいる。
たぶん、分かる人は昔も今もいて、その分かる人が買っていくからであろう。
今流行の、参考書ソムリエも、基本ルートには入れていないようだから、それらしき人に聞けば、それがどれだか分かるというモノではない。
常に本質を追いかける人だけが、辿り着ける。
そういう境地が、昔も今も、ひっそりと存在し続けているのだ。
=お知らせ=
事前にご案内しておりました通り、12月1日より、「募集停止期間」に入りました。
この間は体験授業も実施しません。
募集再開は「新年3月下旬」頃を予定しています。
募集停止期間中も「体験授業の受付」を継続します。「体験授業のお申込方法」に沿ってご連絡をください。
例年、募集停止期間明け直後は大変混みあい、体験授業の実施を長期間お待ちただくことになりますので、募集停止期間中のお早目の時期に、事前に体験授業のお申込をされておかれますことをお勧めします。
こちらからの確認メールに返信をいただけない方がいらっしゃいますが、返信がございません場合は、体験授業のお申込は成立いたしません。
こちらからの確認メールが着信拒否や迷惑メールとして扱われていることがございますのでご確認をお願いします。
確認メールのご確認と返信ががございませんまま「募集期限」が過ぎましても、救済措置はございません。
尚、冬期講習の外部募集は行いません。塾生だけで実施します。