[2022年12月9日]
中学受験や高校受験での私立大学附属校人気が過熱を極めていることに反し、大学入試ではMARCHの倍率の大幅な低下が止まらず、早慶もMARCHほどではないが倍率の低下傾向が見られる。
MARCHの倍率低下は2018年に始まっているから、新型感染症の拡大や、共通テストへの移行が原因ではないことは明白で、一時的な倍率低下ではないと判断するのが妥当であろう。
最大の原因は、少子化の深刻化である。
少子化対策として、私立大はほぼ全ての大学で、総合型や推薦型の募集定員を増やし、一般型の定員を絞ってきているが、それでも倍率低下は止まりそうもない。
MARCHの倍率低下は2018年度から顕著になり回復の兆しはない。加えて2020年度からは早慶の倍率低下も鮮明になりつつある。
中学入試で附属校へ進んだ人たちが大学進学を迎える頃には、MARCHだけでなく早慶も、大学からの入学がしやすくなっている可能性が高い。
すでに、日東駒専レベル未満の私立大学では、一般入試は実質的に機能していない。実質定員割れの大学や学部がほとんどとなっていて、わがままさえしなければ、ほぼ全員が合格できる。
むしろ、定員割れを解消できない私立大学が増えており、今後も大幅に増えそうなので、私立大学の統廃合は避けて通れない情勢である。
日東駒専以上の大学も、定員の削減などに取り組まない限り、倍率急低下や実質定員割れに追い込まれる可能性がある。
こうした実態が広く知れ渡るようになれば、現在過熱気味の私立大学附属校人気は一気に解消して、逆に人気が冷え込んでしまう可能性すらある。
地方の人口減少と少子化も止まる気配はないため、地方の私立大学の多くは存続の危機に瀕するであろう。
加えて、地方の国公立大学も、その存在意義が問い直されるかもしれない。
かつて議論となった、地方国公立大学の文系学部廃止論や、教員養成系学部廃止論が、再燃するかもしれない。
一方で、難関国立大学の人気は継続する可能性が高い。東大・京大・一橋・東工、大阪大や名古屋大など大都市圏にある旧帝国大学、東京都立大や大阪公立大などの大都市圏にある公立大学、神戸や筑波などの大都市圏から通学可能な上位国立大学までは難易度を維持できそうだが、それ以外は難易度を維持するのが難しくなっていくだろう。
すでに始まっているMARCHの入試倍率の低下は、今後の大学入試情勢を占う試金石になると考えている。
大学全入時代を迎え、大卒の学歴は大きくその価値を変えようとしている。
卒業大学名だけで社会で評価されたいなら、MARCHは、微妙な立ち位置にふたたび戻りそうだ。
大卒は掃いて履いて捨てるほど多くなるから、学歴よりも能力の時代に、明確に移行していくであろう。
一方で、地方国公立大学の工学部などは、今も昔も知名度そのものは高くはないものの、教育内容は一貫して難関国立大学と遜色はないレベルを維持しているので、ふたたび評価が見直される時代がくるかもしれない。
=お知らせ=
事前にご案内しておりました通り、12月1日より、「募集停止期間」に入っています。この間は体験授業も実施しません。
募集再開は「新年3月下旬」頃を予定しています。
募集停止期間中も体験授業のご予約を受付ます。募集停止期間が明けましたら、受付順に日程調整をし体験授業を実施してまいります。
*募集停止期間明け後に体験授業のご予約をされますと、実施時期が4月以降となるなど、かなり先の日程となる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
また、募集停止期間中に、募集基準と募集期限の改定を予定しています。改訂方針については以下の通りです。
・中学受験生:小5後期までに入試範囲の学習を終え、小6では総仕上げと過去問演習と直前演習を行うスケジュールを徹底する。
・高校受験生:中2後期までに入試範囲の学習を終え、中3では総仕上げと過去問演習と直前演習を行うスケジュールを徹底する。
・大学受験生:高2中盤までに共通テスト範囲を一通り終えて、高2の後半から国公立二次対策と私立大個別試験対策を開始する。
・高1以降の入塾は新年度以降しばらくは、私立大学文系学部志望者に限定し、国公立と私立理系志望は新高1までの入塾とする。
具体例として、「都立中合格コース」は募集期限を現在の小5の6月から小4の10月頃に大幅に早める予定です。詳しくはホームページでのご案内開始をもってお知らせします。
*募集基準と募集基準の改定前に体験授業のご予約をいただいた方は、改定前の募集基準と募集期限を適用いたします。
*募集基準と募集基準の改定後に体験授業のご予約をいただいた方は、改定後の募集基準と募集期限を適用いたします。