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三田学院

[2022年12月12日]

【都立中】私立大の共テ利用と共テ併用

私立大学入試で、共通テストを利用した入学者選抜と、共通テストを併用した入学者選抜が、じわじわと広がっている。

私立大学入試は複雑化が止まらない。

私立大学の入試には、まず大きく分けて、一般型選抜と推薦型選抜と総合型選抜があることは、すでに説明した。

推薦型選抜の中にも、指定校推薦や公募推薦や自己推薦があり、それらが組み合わされていることが多い。

今回は一般選抜について説明する。

一般選抜では、大きく分けると、個別学部日程入試と全学部日程入試があり、その中に、個別試験入試と共通テスト併用入試と共通テスト利用入試がある。

全学部入試は、同一日に複数学部や複数学部が合同で入試を行うもので、同一の試験で複数学部へ出願できるなど利便性が高いが、その分、個別学部入試よりも、若干難易度が高くなる傾向がある。

全学部入試はおもにMARCHで盛んに行われている。学部や学科に関係なく、その大学への合格を目z巣受験生には非常に都合がよい。

また、特定大学の特定学部を目指す場合でも、一般入試にの中でも、個別日程と全学部日程の複数のチャンスを活かすことができるというメリットがある。

この私立大学が行う一般入試において、共通テストを利用したり併用したりする入試を導入する動きが広がってきている。

ここ数年では、上智大学と青山学院大学が、共通テスト併用入試や共通テスト利用入試へ、大きく舵を切った。

共通テスト利用入試の場合、共通テストの成績をもって合格判定を行うので、大学ごとに異なる入試問題に対策をする必要がない。

共通テスト併用入試の場合も、一部の科目のみが大学独自の試験となるので、その部分だけ追加的に対策をすればよく、負担が小さい。

私立大学最難関と評価が高い早稲田大学政治経済学部は、すでに共通テスト併用型に完全移行していて、入試当日は比較的短時間で終わる総合問題だけを受検すればよい。このため、早稲田政経受験生は、あっというまに入試会場から出てくる。半日どころか、数時間で出てくる。

上智大学に至っては、共通テスト併用に移行したことで、午前に総合グローバル学部を受験して、同一日の午後に外国語学部を受験できるなど、1日で2学部を受験できるようになった。

宿泊を伴う行軍を余儀なくされる地方からの受験生だけでなく、試験会場まで当日朝に向かう受験生にとっても、負担が格段に少なくなった。

ただし、共通テスト併用型や共通テスト利用型には、デメリットもある。

個別試験にくらべて募集定員が小さい場合が多く、難易度が極端に高くなることがあることだ。

便利で負担が小さいために、共通テストだけで私立大学入試を乗り切ろうとすると、最適校だけでなく安全校からも合格が取れないという事態に陥りかねない。

このデメリットは、共通テスト利用や併用がさらに進み、定員が大きくなれば、徐々に緩和して行くだろうと考えられる。しかし、しばらくは、デメリットというかリスクを十分に承知した上で受験する必要があろう。

一方で、個別試験を頑なに継続する私立大学もある。

慶應義塾大学である。

もともと、かなり個性的で、かなり高難易度な、独自入試問題を出題してきたので、共通テスト利用や併用には、なじまないのかもしれない。

このため、慶應を希望する場合は、共通テストとは別に対策をしっかりとしなければならない。

しかも、他の有名大学に比べて、英語外部検定試験の導入にも消極的なので、他の有名大学と比較して、十分な期間的余裕を持って、しっかりとした対策が必要になる。

ただ、そもそも慶應の文系学部は、旧帝国大学などの国公立大学との相性は良かったので、国公立大学を第一志望とする受験生にとって、共通テスト利用や併用でなくても、並行しての対策することは難しくはない。むしろ、私立大学文系のみの受験生にとって負担感が大きいであろう。

さて、私立大学における共通テスト利用と共通テスト併用入試の広がりは、国公立大学を第一志望とする受験生には極めて都合がよい。

私立大学側もその点をしっかり考慮して導入を広げていると考えられる。早稲田大学政治経済学部では、出願者数こそ減少したものの、むしろ難易度は上昇し、優秀な入学者をより多く集めるようになった。

反して、慶應大学経済学部は、一時君臨した私立大学文系王者の地位を、早稲田大学政治経済学部に返上するに至っている。

一般論として受験生が注意しなければならないことは、共通テスト利用や併用入試を実施する大学はと、見かけの難易度が高くなるので、その見かけの偏差値で大学の魅力を評価し過ぎないようにすべきだということだ。

難易度の高い大学や学部が、より素晴らしい大学や学部とは限らないからだ。あなたに合っているかどうかなら、なおさら評価基準に用いることには注意が必要である。

まとめるが、現在の私立大学入試は、入学者選抜の方式が、保護者が受験生であった頃とは、大きく変わってしまったので、親の古い常識や、親の古い世界観を、子に押しつけないように気をつけるべきだ。

もちろんそれは、中学入試でも高校入試でも言えることで、大学入試に限定されることでは、そもそも、ないことは、言うまでもない。


=お知らせ=

事前にご案内しておりました通り、12月1日より、「募集停止期間」に入っています。この間は体験授業も実施しません。

募集再開は「新年3月下旬」頃を予定しています。

募集停止期間中も体験授業のご予約を受付ます。募集停止期間が明けましたら、受付順に日程調整をし体験授業を実施してまいります。

*募集停止期間明け後に体験授業のご予約をされますと、実施時期が4月以降となるなど、かなり先の日程となる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

また、募集停止期間中に、募集基準と募集期限の改定を予定しています。改訂方針については以下の通りです。

・中学受験生:小5後期までに入試範囲の学習を終え、小6では総仕上げと過去問演習と直前演習を行うスケジュールを徹底する。
・高校受験生:中2後期までに入試範囲の学習を終え、中3では総仕上げと過去問演習と直前演習を行うスケジュールを徹底する。
・大学受験生:高2中盤までに共通テスト範囲を一通り終えて、高2の後半から国公立二次対策と私立大個別試験対策を開始する。
・高1以降の入塾は新年度以降しばらくは、私立大学文系学部志望者に限定し、国公立と私立理系志望は新高1までの入塾とする。

具体例として、「都立中合格コース」は募集期限を現在の小5の6月から小4の10月頃に大幅に早める予定です。詳しくはホームページでのご案内開始をもってお知らせします。

*募集基準と募集基準の改定前に体験授業のご予約をいただいた方は、改定前の募集基準と募集期限を適用いたします。
*募集基準と募集基準の改定後に体験授業のご予約をいただいた方は、改定後の募集基準と募集期限を適用いたします。