[2022年12月14日]
都立中を目指す受検生が選択できる併願パターンは大きく分けて3つある。
1.私立中型で準備して、適性検査型の都立中合格を目指すパターン
学力試験を実施する私立中進学校への確実な合格を目指しつつ、都立中への合格を目指すパターンだ。このパターンの場合、私立対策でほぼ精一杯になり適性検査型の対策にほぼ手が回らないので、学力試験型で身につけた学力のみで、適性検査型問題を攻略しなければならず、都立中合格は容易ではない。
都立中に合格できる、ほぼ学力試験型対策だけの受験生となると、少なくとも私立新御三家に合格できるレベルは必要になる。しかも、新御三家レベルの受験生であっても都立中に合格できるとは限らない。多くは残念になる。新御三家レベルには合格が見込めない受検生はさらに厳しくなる。ほぼ学力試験型対策だけの受験生は、むやみに都立中を併願校に加えない方がよい。
2.都立中型で準備して、学力試験型の私立中進学校合格を目指すパターン
適性検査型の純粋な対策だけで進めたのであれば、そのままでは学力試験型の進学校にはまったく歯が立たない。まず社会や理科の知識問題が壊滅的になる。算数の特殊算や図形も厳しい。国語は物語文に対応できないリスクがある。
このため、大手都立中専門塾や大手塾都立中専門コースで対策しながら、学力試験型の私立中進学校から合格をいただくのは、非現実的となる。よって、適性検査対策だけで対策をしたのなら、学力試験型の私立中進学校は、併願パターンには入れない方が賢明だ。
もちろん、学力試験型にも対応できるハイブリッド型で進める方法はある。しかし、大手塾ではどこもやっていないから、そうした対策ができる塾を探せるかどうかで、運命が決まる。
都立中が第一志望で、第二志望が私立中進学校となると、能力のほとんどを適性検査攻略に向けることになるので、私立中は新御三家以上から選ぶと厳しい結果になりかねない。よって上位校かそれよりやや下から選ぶのが適切な併願パターンとなる。
品川女子
普連土
高輪
3.都立中型で準備して、適性検査型私立中進学校合格を目指すパターン
そもそも、まともな適性検査型入試を行う私立中進学校の数が少ない。適性検査をマネた入試を行う私立中は多いが、ほとんどが自称進学校以下となり、都立中からすると大きく見劣りする。このため、都立中に残念になった場合に入学してもかまわないと思える適性検査型私立中進学校は、都内都心部では、ほぼ数校に限定される。しかも、最近は、都立中に合格できる実力があっても、特待合格が難しくなった。
宝仙学園理数インター(公立一貫型、特待合格あり)
安田学園先進コース(適性検査型、特待合格あり)
品川女子(合科型)
大妻中野(新思考力、特待合格あり)
これくらいしかない。女子校と共学校はあるが、男子校がない。
この他に、適性検査型で準備して合格が取れる私立中進学校には、算数単科入試を行う私立中進学校がある。しかし、算数単科の場合は難易度が4教科よりも上がるので、受験算数が格段に得意でないければ合格は難しい。
品川女子(算数)
普連土(算数)
高輪(算数)
山脇(算数)
このあたりが現実的な限界だろう。算数単科入試を行う私立中進学校には、この他に男子校の巣鴨と世田谷がある。日程的には、2日午後の高輪よりも、1日午後の巣鴨や世田谷の方が併願しやすいが、いずれも御三家や新御三家(巣鴨は新御三家)の併願者が多いので、覚悟が必要である。
普連土は算数・国語の2科入試も選べる。山脇は国語単科入試も選べる。それぞれ複数回ある受験回の中で、この2科入試と国語単科入試が最も難易度が高くなるので、覚悟が必要である。
これらとは別に、男子だけの特権になるが、全国募集の公立中高一貫校があるので、堂々と都立中と併願できる。鹿児島県立楠隼中高である。
最後に、都立中も難関私立中も、どちらからも合格をいただこうなどと、安易に考えない方がよい。それを実現するためには、相応の準備が必要だからだ。
大手はそれぞれの対策に特化した長期指導をするから両方のコースに在籍することはできないし、できたとしても、負担が過大になり、受験生が潰れてしまうか、どちらも中途半端になって失敗することになりかねない。
心の中の悪魔の囁きには、気をつけた方がよい。
その前に、
大手塾からの甘い誘惑には、気をつけた方がよい。
ママパパ友の無責任情報にも、気をつけた方がよい。
=お知らせ=
事前にご案内しておりました通り、12月1日より、「募集停止期間」に入っています。この間は体験授業も実施しません。募集再開は「新年3月下旬」頃を予定しています。
募集停止期間中も体験授業のご予約を受付ます。募集停止期間が明けましたら、受付順に日程調整をし体験授業を実施してまいります。
*募集停止期間明け後に体験授業のご予約をされますと、実施時期が4月以降となるなど、かなり先の日程となる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
また、募集停止期間中に、募集基準と募集期限の改定を予定しています。
都立中コースは、3つのコースに分ける予定です。
都立中合格コース:小4の10月まで募集
都立中チャレンジコース:小4の11月から小5の06月まで募集
都立中ファイナルコース:小5の07月から小5の10月まで募集
チャレンジコースとファイナルコースは、コース全体かつ教室全体で空席がある場合にのみ募集することとし、対策期間が十分に取れないことに対応して、募集基準を合格コースよりも厳しく設定する予定です。
また、それぞれの合格率目標を、次のように設定します。
都立中合格コース:合格率100%目標
都立中チャレンジコース:合格率50%以上目標
都立中ファイナルコース:業界平均を有意に上回る合格率目標
*都立中合格コースの合格率100%は、小石川や都立武蔵や桜修館や九段Bなどで継続中です。
*楠隼中合格コース(合格率100%継続中)も、都立中合格コースのように、3つに分ける予定です。
*中学受験合格コース(普連土や品川女子や高輪などで合格率100%を継続中)も、同様にします。
*大学受験合格コース(お茶の水大や東京都立大や上智大などで合格率100%継続中)は、斬新な設計で最強コースにします。
*募集基準と募集基準の改定前に体験授業のご予約をいただいた方は、改定前の募集基準と募集期限を適用いたします。
*募集基準と募集基準の改定後に体験授業のご予約をいただいた方は、改定後の募集基準と募集期限を適用いたします。