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三田学院

[2022年12月17日]

【都立中】理想的な家庭

シカゴ大学とコロンビア大学で教鞭をとった、教育哲学者ジョン・デューイは、教育について論じた著書の中で、次のように語っている。

「理想的な家庭とは、両親が、聡明であり、子どものために最も良いものを見分けることができ、そしてその必要なものを与える能力があるような家庭である」

「そうした家庭では、子どもは、親子間の会話や、家庭でのしきたりを通して、物事を学ぶ」

「親子の会話の中で、様々なことが話題となり、かくして子どもは不断に学習する(ようになる)」

抜粋したので誤解を生じないように念のため補足しておくが、「必要な物を与える能力」というのは、親の経済力でも親の狂気でもない。家庭における会話と、家庭におけるしきたりである。

親子間の会話や家庭でのしきたりを学んだ子どもは、家庭から外の世界へと出て、庭や、広場や、地域や、自然や、社会や、世界へと、その学びの場を広げていく。そして、そこでの適切な経験や体験が、子どもを成長させていく。

適性検査作文の指導に関連して、夕食などの家族団らんの際に、親子で適性作文のお題について、自由に意見を紹介し合ってくださいと、お願いをしている。

親子間の会話が子ども成長に大きな影響を与えるからである。

ここで親は、「聡明」であることに努めなければならないが、それは親に高い学力を求めているのではなく、論理的で客観的で倫理的であれば、必要条件を満たす。

しかし、これが意外に難しいようで、動物的な衝動で判断や意思決定したり、社会規範や倫理性を逸脱した考えを背景に判断や意思決定したり、誤認や誤謬を背景に偏った判断や意思決定をしたりしつつ、子どもと会話したり接するような家庭がなくはないようである。

そうした家庭は、デューイの言う教育における「理想的な家庭」には該当しない。

デューイはまた、カリキュラムや教育方法に依存した教育を、強烈に批判している。

21世紀になっても、なお、カリキュラムとテキストこそ、教育の神髄であるかのごとく騙す悪徳大手塾や、それを熱狂的に信仰する親がいることに、あらためて警鐘を鳴らしておきたい。

次回は、「教育とは、『養育』、『訓育』および『知育』である語った、ドイツの哲学者イマヌエル・カントの教えについて、考えてみたい。


=お知らせ=

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さて、「募集停止期間」中に、募集基準と募集期限の改定を行っています。

旧基準と旧期限のご案内には「R4」を頭につけて表示し、新基準と新期限のご案内には「R5」を頭につけて表示して、分かりやすくご案内します。

昨日時点で、「都立中合格コース」の改定を完了しました。ホームページ上のご案内をR5版に更新していますので、ご確認をお願いします。

予告通りに「新・合格コース」と「新・チャレンジコース」に分け、「新・ファイナルコース」を新設しています。

今後、順次、楠隼合格コース、私国立中合格コース(中学受験合格コース)、高校受験合格コース、大学受験合格コースなどの改定を行っていきます。

改定は、ホームページの更新をもってご案内してまいります。

*募集基準と募集基準の改定前に体験授業のご予約をいただいた方は、改定前の募集基準と募集期限を適用いたします。
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