[2023年1月6日]
都立中への合格を目指すなら、まず適性検査が読ませて書かせる入試問題であることを正しく認識しなければならない。
その上で、読む力と書く力を適切につけなければならない。
多くの受検生とその保護者は、この読む力と書く力を、いまだに甘く見ているようである。
日本語が話せて聞き取れれば、それだけで日本語で書かれたリード文や設問を、適切かつ十分に読み取れる訳ではない。
日本語が話せて聞き取れれば、それだけで記述式の答案を得点できるような適切かつ十分なレベルで書ける訳でもない。
そもそも、小学校で学習する漢字の読み書きができ、小学校で学習する漢字が用いられた語句や熟語や慣用句などを理解できているだけでは不十分である。それらを使いこなせなければならない。
その前に、小学校で学習する漢字の読み書きや、小学校で学習する漢字が用いられた語句や熟語や慣用句などを理解できないようでは、適性検査は闘えない。
英語が教科化されたことで、漢字や語句や熟語や慣用句などまで手が回らなくなったのか、全体として国語力の低下が顕著だと感じている。
一方で、英語の教科化などには影響されず、しっかりと国語力を身につけることができる受検生もいる。
小学校で学習する漢字は読めて書けて当たり前という感覚が、一部ではなく、かなりの層で欠落している。
都立中に合格するには、中学で学習する漢字が読めて当たり前のレベルに達していなければ難しい。
これは中学で学習する漢字が読めれば合格するという意味ではないので誤解をしないでいただきたい。
超小学生級のハイレベルな日本語運用能力がなければ、都立中への合格は難しいということを伝えたいだけである。
ここ数年、大学入試改革が進み、特にMARCHレベルで、読んで書く力がより求められるようになった。
具体的には、大学入試共通テスト併用型入試による入学者選抜を強めている、早稲田大学、上智大学、立教大学、青山学院大学などで顕著である。
共通テスト+記述式総合問題
共通テスト+小論文
といった入試選抜方式の採用が進んでいる。
私立大学文系最難関の早稲田大学政治経済学部は、一般入試では、共通テスト+記述式総合問題で入学者を選抜する。英語や国語や数学や社会は共通テストを利用し、独自問題は記述式総合問題である。
この総合問題が合否の約50%を握っているので、読んで書く力の違いが合否を分ける。
英語の外部検定試験スコアばかりが注目されがちだが、泥臭く地道に、日本語の運用能力を高いレベルに引き上げた受験生でなければ、勝ち目はない。
実はこの読んで書く力こそ、育児や子育ての早い段階から適切かつ十分に取り組んで来ていなければ、いざ受検勉強や受験勉強を本格的に始める時期には手遅れになっていることがほとんどである。
小3や小4くらいまでならごまかせても、小5あたりから明らかに差が開き始め、小6になると致命的な差となっていく。
都立中に合格できるかどうかだけでなく、大学入試でも難関大学を目指せるかどうかの差につながっていく。
もう、いくら詰め込もうが、いくら叩き込もうが、この差は埋まらない。
人は言語と記号で思考する。
思考する力のベースが弱ければ、どんなに教科学習にガンガン取り組んでも、その習得スピードや習得度が上がらなくなる。
羽を失った蝶が空を舞えない姿に似ている。
いつから塾に入れるべきか、どの大手塾に入れるべきか、通信教育でどこまで頑張るべきか、中小塾が向いているのか、学力試験型の塾か適性検査型の塾か、などに気を取られる前に、取り組むべきことがある。
読めて書ける子に育てる
まず、ここから、取り組むべきである。
くれぐれも、怪しい国語塾などに入れて、責任回避しないこと。
読めて書ける子に育てることは、そんなに単純なことではない。
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