[2023年1月13日]
過熱する中学入試だが、増えた私立中受験生は、どこへ進学するかというと、その多くは高校募集が主力の中堅未満の私立中高一貫校である。
具体的な校名まで書けば気分を害する人も出て来ようから、そんなことはしないが、首都模試なら偏差値45程度未満、四谷大塚や日能研なら偏差値30代、サピックスなら偏差値表に載っていないような私立中学となる。
大手私立中学受験指導専門塾に早期から入塾し課金地獄を乗り越え狂気にまみれながら中学受験に挑んだ受験生親子が獲得できる報酬は、高校入試では実質無試験で合格できる低偏差値私立校への入学権でしかないという、過酷な現実である。
2022年の冬、衝撃的な暴露本が出版された。
大手私立中学受験指導専門塾に通って中学受験した受験生のうち、難関中学に合格できるのは高々10%程度で、そのうち10%〜20%は、その後の大学入試でMARCHや関関同立にさえ、合格できないという。
これでは、学力底辺高校の成績上位層が進学する大学よりも、難易度が低い大学にしか合格できないことになる。
これは、今まさに子を大手私立中学受験指導専門塾に通わせている保護者だけでなく、これから子を大手私立中学受験指導専門塾に通わせようと考えている保護者にとっても、受け入れがたい現実であろう。
大手私立中学受験指導専門塾出身者のその後の大学合格実績は、人知れず細々と真面目に指導を続けている実力ある中小塾よりも悪い。
難関校や名門校の合格実績数だけに目を奪われていると、規模や実数ばかりに気を取られていると、真実を見誤ってしまう。
すべての合格者数と、すべての不合格者数を追わなければ、その塾の実力は正確には把握できないはずだ。
このことは、大手通信教育にも、そのまま、あてはまる。
パンフレットやチラシやホームページには、不合格者数は掲載されていないだろうし、名門校以外は省略されていたりするので、どこどこ中に何人などというキャッチ―なコピーに騙されてしまうと、極端な言い方をすれば、子の人生をだいなしにしてしまうことになる。
合格率こそが追い求めるべき指標であり、合格率こそが適切な判断を可能にする唯一の指標である。
大手私立中学受験指導専門塾に通えば合格が約束される訳ではなく、大手通信教育で学べば合格が約束される訳でもない。
むしろ、実態は、その逆のようだ。
子のために、そのことを見抜いてあげるのも、親の役目であろう。
=お知らせ=
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