[2023年1月17日]
この土曜日と日曜日に大学入試共通テストが実施されたが、民間データ会社から早くも予想平均点が公表されつつある。
文系フルで約25点、理系フルで約30点の上昇となったようだ。概ね数学1Aと数学2Bの平均点上昇分が、全体の上昇に寄与している。
国公立大学受験生にとって、数学はほぼ必須だから、明暗を分けたとしたら、選択科目の理科と社会でどの科目を選択したかによる。今回は世界史と生物の平均点が前年より下がった。生物は得点調整が入りそうだから、今回運が悪かったのは世界史選択の受験生であろう。
気をつけなければならないのは、あなたの数学の得点が良かったとしても、数学の平均点が上がっているので、浮かれていたら痛い目にあうということだ。
私立大学を共通テスト利用や共通テスト併用で受験予定だった受験生は、出願大学が素点で合否判定をするのか偏差値などで合否判定するかで運命が分かれるであろうから、確認しておくべきだろう。
いずれにせよ、それぞれの受験生で得点結果についての反応はさまざまであろう。
まあ、殆どの人は程度の差こそあれ爆死したと感じる共通テストなので、予想通りに(期待通りに)得点できなかったのは、みな同じだと思った方がよい。
実はここからが勝負である。まだ勝敗は決まった訳ではない。
個別試験(二次)の比率が共通テストよりも高い難関国立大学を目指す受験生は、自己採点結果が予想よりも5%程度下回った程度であれば、そのまま出願先は変更しない方が満足度が高くなるであろう。
不用意に出願先を下方修正すると、実力が遥か下の受験生の方が良い大学から合格を頂くことになるので、後にそれが分かった時の失意は大きくなるから注意が必要だ。
仮に、共通テスト換算後の配点が500点、個別試験が1000点だったとする。
共通テストのボーダー得点率(大学入試では合格可能性50%)が80%だとしたら、共通テストの換算後得点は400点になる。これが5%下回っても375点で、その差は25点だ。
総合点の合格者最低点が1050点だとすると、二次で67.5%となる675点取れれば合格となる。
予定通り80%取れた場合は、二次での必要得点は650点だから、誤差は2.5%まで縮小する。実点数では1000点中の25点でしかない。100点中の2.5点である。誤差の範囲内だ。
二次試験における当日の出来栄えしだいで、十分どころか余裕で逆転が可能だ。
その反対に、予定通りに共通テストで80%取れた受験生が油断すると、ひっくり返されて逆転不合格になるリスクが十分にある。
難関国立大学を目指す受験生ほど、二次は強気で出願した方が満足度が高くなる。
不安であれば、中期日程や後期日程で、1ランク下や2ランク下の国公立大学に出願しておけばよい。
逆に、二次より一次の配点が高い国立大学を目指していた場合は、弱気になった方がよい。二次で逆転できる可能性は大きくないからだ。
特に、一次が900点で二次が300点などの場合は、ほぼ一次の得点順に合格者が決まる。
まとめると、共通テストは爆死するのがあたり前の試験なので、ここからが本当の勝負だから、早く冷静になって、ふたたび歩み始めた受験生が勝利すると心得た方がよい。
過度な強気も、過度な弱気も、後悔につながる。
これが国公立大学入試の本懐である。
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