[2023年2月1日]
いよいよ東京の中学入試(一般入試)が解禁となった。
史上最高人数となった首都圏の中学受験生は、それぞれの受験校に向かったことだろう。
今年も塾関係者への応援自粛要請が出されている学校がほとんどだから、いつものように、通りを挟んだ校門の向かい側から状況視察を行った。
同じ学校を受験する受験生の保護者と勘違いされるのであろうか、受験生を送り終えた保護者が次々に近くに集まって、おなじように試験会場に吸い込まれていく受験生の様子を一緒にみつめることになる。
多くは送り終えるとすぐにスマホに向かう。
それぞれ、誰かに連絡を取っているようだ。
「今、送り終えました。・・」
「昨夜寝る前から情緒不安定だったけど、今朝も情緒不安定なまま会場に入って行った。」
「都立中を受けると言っていた△△ちゃんがいて、びっくりした。ウチは本命だけど、滑り止めだと思う。」
「午後入試も同じ学校を受けるから、お昼ご飯を一緒に食べます。」
「夜には結果がわかる。」
少し興奮気味なのか、多くは大声で会話しているので、会話が聞こえてしまう。
親:「最後まで頑張るのよ。」
子:「・・・」
親:「問題はしっかり読んでね。」
子:「・・・」
親:「聞かれたことに答えるのよ。」
子:「・・・」
親:「忘れ物はない?」
子:「ないと思う。」
親:「外で待っているからね。」
子:「ワカッタ。」
会場へ送る直前の、保護者と受験生との会話も、聞こえてしまう。
違和感を感じずにはいられなかったのは、学校関係者の掛け声だ。
「頑張ってー!」(両手でガッツポーズをしながら)
まるで、大手塾関係者の掛け声だ。
教育者というよりも、ビジネスマンのような風貌でもある。
保護者の様子も興味深かった。
高級そうな衣装を着こんできている保護者がいれば、商店街に食材を買い出しにきたような身なりの保護者もいて、ワイドレンジだ。
高級外国車で送り届ける保護者もいれば、よく見かける国産車で送り届ける保護者もいて、いろいろだ。
母親が多いが父親もいる。保護者一人が多いが保護者二人もいる。
警備員の愛想もよい。これも大手塾教室前にいる警備員かのようだ。
出勤途中のビジネスマンたちも興味津々だ。
「そうか。今日は中学入試の日か。」
そう、今日は中学入試の日なのだ。
今日は、何万人もの子どもたちの運命が、分かれる日なのだ。
中学入試会場前を通って地元公立小学校へ向う高学年の女子児童(背丈などから小6に見えたが)の、試験会場へ吸い込まれていく多くの小6親子の様子を目にして一瞬だけだが足を止めたかような仕草が、スローモーション画像になって今も瞼に焼きついている。
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