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三田学院

[2023年2月8日]

【都立中】国際系人気は本物なのか?

中学受験などにおける国際系のコースや学校の人気は本物なのだろうか?

私立中学受験の世界では、かつて生徒募集に苦しんだ私立学校が、次々に国際化を掲げてリニューアルし、人気校化している。

一方で、

大学受験では、ここ数年、外国語学部や国際系学部が人気を大きく落としていて、令和5年度で言えば、国公立大学では、東京外国語学部や大阪大学外国語学部などが前年度対比で大きく受験生を減らしている。

東京外国語学部のある言語・地域コースは、前期日程で倍率が1.1倍などとなっていて、定員割れとまではいかないが、最終的には実質定員割れを起こしても不思議でないくらいの低さである。

中学入試では大盛況、大学受験では超苦境という、ねじれ現象が起きているのだ。

国際教育には関心があるが、進学先としての国際系学部にはさほど関心がないということなのだろうか。

それは何を意味しているのだろうか?

また、

海外大学への進学熱も高まっているようだが、海外大学と国内大学の進学実績を、単純に比較していいのかどうかにも疑問がある。

例えば、日本の国公立大学は入学者はそのまま卒業まで全員の面倒を見るという前提で入学をさせているが、米国大学などは、一定割合がドロップ・アウトするのを前提に入学させているので、合格進学実績をそのまま比較するのは適切ではないように思う。

また、米国の大学へ留学として(外国人として)進学する場合は、いったん2年制のコミュニティ・カレッジ(日本の短期大学に近いが、入学者選抜はかなり緩いことが多い)に進み、そこで高成績を上げて、3年次から大学へ編入(学部編入)するというのが、最も現実的な方法の一つであるが、この場合の高校卒業後の進学先は、コミュニティ・カレッジとなる。

いきなり、全米トップ20大学などに進むのは外国人留学生としては、かなりハードルが高いし、先に説明したように、当初2年間はかなりのドロップ・アウトが出ることが前提になるので、リスクの高い進路選択と言えるかもしれない。

しかも、

米国大学は学費が非常に高い。一般学部であっても、日本の私立大学の医学部医学科なみに学費が高い。おそらく、超一流企業の管理職であっても工面するのが難しいだろう。

もちろん、奨学金や学資ローンもあるが、奨学金は成績優秀者でないと受給できないし、学資ローンは借入金額が大きくなり、利率が高いので、返済はかなりつらくなるのではないだろうか。

私立大学では早稲田大学などが、国立大学では筑波大学などが、それぞれ国内最大規模の留学生を海外に送り出しているが、海外で学ぶことを目指すなら、この方が現実的ではないかと思う。留学制度が充実しているので費用的にも現実的な金額で収まる。

しかも、

どちらの大学も、海外大学に留学するのは、国際系学部に所属している学生とは限らない。

国際系を専攻する人だけでなく、工学系や生命科学系や政治系や経済系を専攻している人も、海外留学している。

国際系大学や国際系学部や海外大学だけが、将来に世界で活躍する人材を育成している訳ではない。

私立中学受験における国際系人気は、どこから湧いてくるのであろうか?

そして、

それは本物なのであろうか?

そのことが、ずっと、腑に落ちていない。


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