[2023年2月10日]
東京都内の私立高校の一般入試が雪が降る中での実施となりそうだ。
試験会場となる学校施設では万全の降雪対策をして受験生を待ち受ける私立高校が多いようだが、降雪で公共交通機関の運行に支障が出れば、混乱が生じることはありうるだろう。
しかし、心配はいらない。
電車が遅れようが、バスが送れようが、試験時間が変更になろうが、試験日が変更になろうが、そのために不合格になることはないからだ。
なぜなら、雪が降っても降らなくても、基本的に不合格者が出ない入試だからだ。
一般入試だけで学校が望む生徒を集められるごく一部の超進学校や超名門校でもない限り、私立高校は単願(名目上は推薦)と併願優遇で受験する受験生がほとんどで、この単願と併願優遇は、事前に合格を確約した上で臨む入試であり、つまり不合格者を出さない入試だからである。
標準的な私立高校の生徒募集形態は、全体の募集人員を100とした指数で示せば、次のようになる。
単願推薦:50
併願優遇:50
一般応募(単願推薦と併願優遇以外):0
この場合、合格発表での合格者一覧には、当日試験会場に足を運んだ全ての受験生(単願推薦は別日なので併願優遇での受験生)の受験番号が掲載される。
もっと極端なケースもある。大学附属校などだ。
単願推薦:95以上
一般応募:05未満
この場合、一般入試の日に受験会場に来た受験生は、ことごとく不合格になる。私立高校は単願推薦で事前に入学者を予定数確保できているので、全員不合格にしてもよいのだが、もしも、すばらしく優秀な受験生がいたら合格を出そうかなと、期待はしないで形式的な入試を形式的に実施する。
ウチの子、私立高校から推薦で合格をもらったの。スゴーイ。
などと吹聴すると、私立高校の入試実態を熟知している人から、陰で失笑されるかもしれないので、用心しておいた方がよい。
単願推薦は、合格をもらったら必ずその私立高校に進学しなければならない。その分、少し(実はかなり)成績が悪くても合格がもらえる制度だ。
併願優遇は、第一志望の都立高校に不合格になったら必ずその私立高校に入学しますと誓って、事前に合格を確約してもらう制度だ。単願推薦よりは少し厳しいが、一般で合格できるような成績よりも、格段に緩い成績で、事前に合格をもらえる制度だ。
受験勉強に耐えられる人のほとんどが中学受験で抜けてしまうような地域では、高校入試には受験勉強には耐えられない人が多く残るから、高校進学に際しては、私立高校に単願推薦で進学する人が70%前後になり、残り30%うち約半分が都立高校に進み、都立高校に不合格になった人が併願優遇で私立高校に進学する。
受験生の保護者はこの高校入試の仕組みをよく熟知ておくべきであろう。
さもないと、中3の11月頃に確定内申が出た後、子が「都立高校に気に入った学校はない。この私立高校に進学したい。」と言い出した時、どう対応するのが適切なのか判断ができないからだ。
そうしたことを言いだす受験生は、高校受験の最後の追い込みの厳しさから逃げたいだけであることが、ほとんどである。
それを知っている私立高校は、ここで満面の笑みをたたえながら、手招きをする。
ウチに出願してくれたら、キット合格をあげるよ、と。
ぬぬん、今、大炎上しているらしい、ある私立中学が、学校説明会で言ったとか言わなかったとかのセリフに、よく似ているかもしれない。このケースでは、受験生ではなく保護者が、厳しい中学入試に耐えられなかったのかもしれない。
実は、私立中学入試でも、事前に確約してくれる学校は珍しくない。ただし、入試解禁日前に正式な合格を出すと行政処分の対象になるだろうし、そうならない場合でも私立学校間の紳士協定違反になりかねないので、巧妙な手順と言うか、巧妙な手口で行われる。
詳細は書けないし言えない。どなたにも利用はお勧めしないし、もし塾生やその保護者が、そうした制度を利用したいなどと言い出したら、即退塾していただいている。
そうした受験生を指導するつもりは全くないし、そうした保護者の相談にのるつもりも全くない。正々堂々と入試を闘う受験生しか指導してこなかったし、今後も指導する気はない。
言い過ぎたついでに、もう一つ言い過ぎておく。
併願優遇を乱発とまでは言わないが多く出し過ぎると、予測を誤って予定数を越えた入学者を受け入れざるをえなくなる私立高校が出てくる。仮設校舎を建てて対応できればよいのだろうが、設備上の制約でそれができないと、私立学校側は運営上支障をきたすことになるから、入学後(私立高校の場合は高校2年進級時など)に、大量首切りをせざるを得なくなる。
これはしばしば起こっている。実は私立中高一貫校でも起きるので注意が必要である。過去に高校進学時に大量首切りをして評判を大きく落とした名門私立中高一貫校があるが、記憶に残っているだろうか。
話しを高校受験に戻すが、中3になってからではもう手遅れだから、子に高校受験をしっかり乗り切ってもらいたいなら、苦しくても逃げ出さないような子に、幼いうちから育てておくべきだろう。
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