[2023年7月1日]
かつては受験生にとっての最大のヤマ場となっていた大学受験であるが、今や保護者世代の認識や常識とは大きくかけ離れた実態になっている。
一つ、首都圏の受験生にとっての最大の激戦地は中学受験になった。
一つ、MARCH第一志望の受験生はMARCHには合格できない。
一つ、国民的志望校のMARCHが将来に地位を失う可能性がある。
まず、激戦地についてであるが、ほとんどの私立大学で推薦入試での入学者や附属校からの進学者などが50%を超えていて、一般入試で大学受験を目指す受験生が少数派になっている点が大きな変化だ。
また、私立大学の乱立で希望すれば誰でも大学生になれる状況になったことで、私立大学入試の激戦地帯を歩む受験生は、難関国立大学を目指すトップエンドのごく限られた受験生だけになりつつある。
多くの受験生は、高校3年のお正月前までに、実質無試験で大学から合格通知を受け取る時代になった。
文部科学省は国立大学の推薦入試などによる入学者比率を概ね30%まで引き上げるようにと指示しており、これに先行する形で公立大学が推薦入試重視の入学者選抜にすでに移行している。
次に、MARCHを目指す大学受験生がことごとくMARCHには合格できない点だが、これはかならり前から予備校関係者の間では常識となっていたことである。予備校や大学受験専門塾の生徒募集では、将来的にMARCHには届かない受験生であっても、MARCH合格の夢を見させて、オプション講座や講習などを大量に購入してもらい、顧客単価を極限まで引き上げて、収益を確保するというのが、常套手段となっている。
情報収集能力の高くない受験生や保護者は、ことごとくこの罠の餌食となってしまう。
最後の、MARCHが将来的に難関大学としての地位を失う可能性についてだが、これは有名な大学受験指導専門の複数の有名な教育系Youtuberが最近になって指摘し始めていることだ。予測の正確性については疑問が残るし、ただちに賛同はできないが、ほぼ共通して根拠としているのは少子化の影響である。
今年になって示し合わせたわけではないはずなのに同じような見解を示した背景には「私立大学入学者定員厳格化の緩和」があったののではないかと考えられる。
厳格化の時期に極端に難易度が上昇した、多くのMARCHであるが、今春の厳格化の緩和で大きく難易度を落としている。これが実情だとすれば、今後さらに少子化が進めば、さらに難易度が低下していくと予測するのは間違いとは言えない。
ただ、想定通りに少子化が続くかどうかにも依存する。
別の有名な教育系Youtuberが、難関私立大学の実難易度について、刺激的な動画をアップしている。
早慶上理ICUという合格者数を公表する高校や予備校が多くなったが、早慶上理ICUと一括りにしるのはかなり難があるというものだ。
その前に、MARCHではなくGMARCHについてふれておくと、理解しやすいかもしれないので、先に言及しておく。
Gであるが、今やMARCHと一括りにするのはどうかと思えるほど、難易度を落としている。文系に関してはほぼMARCHのしんがりHとほぼ同じかそれを下回る気配になっている。
次にICUだが入試方式が特殊なので、これまで難関と思われてきたが、合格者を追跡すると、併願したMARCHにほぼ合格できていないようなのである。推薦やAOが多く併願者が少ないため目立たないが、実際の難易度はほぼG程度と認識するのが妥当ではないかと指摘している。
次に理であるが、文系に関してはかなり難易度が平易で、これまたMARCHのしんがりかそれを下回る難易度である。
最後に、上であるが、これもカトリック推薦や公募推薦の割合が高く一般の定員が少ないため難易度が高く見えがちだが、入学者の実態はそこからかなり下方乖離しているらしい。
その上で一般の難易度を分析しても、MARCHの上位学部程度の難易度しかないようで、全体ではMARCHど真ん中程度の難易度と認識するのが妥当なのかもしれない。
早慶の難易度には異論はないようだが、学部別の難易度には若干の実態乖離があるようで、実態は次に近いようだ。
W政経>K経済≒K法≒W法>W商≒W文構≒W文≒K総政>W社学>K商≒K文≒W教
これに上(J)を加えると、
W政経>K経済≒K法≒W法>W商≒W文構≒W文≒K総政>W社学>K商≒K文≒W教>J外≒Jグ≒R異
となるそうだ。
MARCHなどをすべて加えると見ずらくなるので、文系の伝統学部のみを念頭に大学名だけで表示すれば次のようになる。
W≧K>>J≧R異>M≒C法>A≒R>C>H>G≒ICU≒理
文系においては、早慶上理ICUは存在しないことが、理解いただけるかと思う。
早慶MARCH上理ICUならありえるが、大学数が多くなりすぎて、何を表示したいのかがわからなくなる。
理工学部ではかなり事情が違う。ざっくり表示すれば次のようになる。
W≒K≒(地方旧帝国大・難関国立大)>(地方有名国立大)>(地方国立大)>理≒M≒J>>AC
ここでは、ムリやりなら早慶上理は成立しうるが、Mが割り込んでくるので単純ではないし、WやKと、理やⅯやJとでは、乖離がかなり大きいので、やはり早慶上理にはムリがある。
話しを戻すが、受験競争を制したいなら、まず中学受験を制する必要がある。
次に、MARCHを目指す受験生はMARCHに合格できる可能性は極めて低いことを認識すべきことだ。日東駒専で止まれば成功で、多くは大東亜帝国あたりに落ち着くのだそうだ。
現在の大東亜帝国合格者のボリュームゾーンは、高校偏差値では55〜60なので、進学校の下限か、自称進学校の出身者ということになる。土台や基礎基本はできている受験生たちなので、大東亜帝国であっても甘く見てはいけない。
今は加熱するMARCH熱であるが、次の世代になる頃には、すっかり冷めてしまっている可能性があるので、自分を客観的に分析して、慎重にに志望校を選択した方がよかろう。
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