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三田学院

[2023年7月3日]

【都立中】筑波大が二次の学力試験を廃止へ

筑波大学が5年後をめどに二次試験は小論文や面接を重視した選抜にするという入試改革を発表した。

すでに、学校教員や塾予備校関係者の間で、賛否両論が渦巻いている。

大手予備校などは、ほぼ反対意見や批判的な意見が多い。

しかし、この筑波大学の入試改革が意味するところを読み取れていない学校関係者や予備校関係者や受験生が多いように思う。

論点が向かうべきは、「共通テスト」が、その前身である「センター試験」や、さらにその前身となる「共通一次」とは、まったく違う試験となっている点である。

筑波大学長が述べているように「共通テスト」だけでほぼ学力が測れるので、二次でもさらに学力試験を実施することの意味が薄れているのである。

誤解のないように言い換えれば、「共通テスト」は基礎的な高校学習内容の習得度を測る試験では、もはやなくなっているということである。

新しく始まった「共通テスト」については、時間が足らないとか、問題が難しくなったとか、平均点が異常に低いとか、批判的な意見が多いが、共通テストが目指していることは、センター試験とは全く違うので、当たり前なのである。

もう一つ、小論文試験で入学者を適切に選抜することが可能なのかという意見があるが、これは筑波大学だけでなく多くの国公立大学が課している小論文試験をよく吟味していないか見ていない人の意見ではないだろうか。

小論文試験は、純粋な学力試験ではないが、純粋な学力試験以上に、総合的な学力を測ることができるような出題となっている。

例として、筑波大学理工学群社会工学類の小論文試験問題のアドレスを貼っておく。コピペしてご覧いただきたい。

https://p1.ssl-dl.jp/dl/43477-e2e5a5ccff8bc94f8a2ffeb1127cdbad

反対意見を表明している方々は、これまで通りの指導が通用しないことや、これまで通りの対策が通用しないことへの、不満や怠慢を吐露しているだけに過ぎない。

古い学力観や古い大学入学者選抜から抜け出せず、新しい学力観や新しい入学者選抜(大学入試改革)に、対応できていないのである。

早稲田大学の政治経済学部や国際教養学部が、最近になって「共通テスト」を「併用」した入試を行うようになったが、これも「共通テスト」が「センター試験」とは違う入試問題になることも見越してのことだと解釈している。

早稲田大学は、数年後から社会科学部などへも、同様な入試方式を採用を広げていくと公表している。MARCHの中にも、独自試験を廃止して「共通テスト」を「併用」したり「利用」したりする入試に移行しつつある大学や学部が多い。

ただ「共通テスト」だけを利用した私立大学の入試の中には、極端に少ない定員で行うなどして入学難易度を意図的に高く見せて、大学の評価を故意に高めたり受験生増を狙った動きもあるので、「共通テスト」そのものとは別に、注意しなければならない点はある。

ここで確認しておきたい重要事項は以下の通りだ。

・センター試験対策の延長線のように共通テスト対策をしても、失敗するということ。

・従来型の狭義の学力試験対策だけでは、難関大学に合格できなくなるということ。

旧態依然とした大学受験指導しかできない予備校や塾に通っても、お門違いな対策に終始して、夢が叶えられないリスクが高い。

共通テスト対策や小論文対策や面接対策を謳う塾や予備校は多いが、その塾や予備校に、本質が見えているのかや、本質を見抜いた指導ができるのかを、しっかり見分けなければならないのは、受験生とその保護者であることを、忘れてはならない。


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