[2023年8月15日]
今月8月初めに、英語4技能の教育の窮状について指摘した。
国や自治体が、英語4技能の向上にむけて尽力したことは知っている。相応の血税も投入したはずである。
しかし、英語4技能は、向上するどころか、低下してしまった。
・小学校英語の開始
・ネイティブ・ティーチャーの配置
・聞く話す英語教育へのシフト
・入試にスピーキング・テストを導入(東京都のESAT−Jなど)
話す聞くに関しては、実際に英会話に触れる時間数が圧倒的に増えなければ効果は期待できない。
かねてから英会話教室に通った程度では英語力は向上しないと指摘してきたが、それはブレーク・スルーするほどの時間数に、英会話学習が到達していないことによる。
しかし、学校教育や民間英会話教室だけで、ブレーク・スルーできるまでの時間数を英会話に触れさせることは物理的に難しい。
むしろ、限られた時間数を聞く話すに振り向けたために、読む書くに割り振る時間数が削られてしまい、外国語を習得する上で軽視できない、文法や語法や単語や熟語や構文が、かえって弱体化してしまっている。
目指した聞く話すの能力が低下した中で、読む書くまで低下したことが明確になってしまったのが、今回の全国学力調査における調査結果であった。
では、どうすれば、当初目標としたような、英語4技能が向上するであろうか。
外国語の習得には、相応の時間数が必要である。
しかし、英語だけが教育課程でない以上、授業時間として英語に割り振れる時間数には制約がある。
そこで、一つの提案がある。
このスタッフ日記をを呼んでいる教育行政の関係者がどれ程なのかは知らない。声が届かないことは想定内の上で、アイデアを述べる。
<提案>:英語圏からの留学生受入数の大幅増加策
現状でも民間の留学支援団体が交換留学のあっせんと支援を行っているが、どちらかと言えば留学生を送り出すことに重きが置かれている。もちろん、交換留学なので日本への留学生の受入支援もしていることは承知している。
ここで国をあげて、さらに受入留学生の数を大幅に増やすのである。
留学生を受入れる学校やホストファミリーが、全国に幅広く適切に分布できるように、行政的な支援を推進すればよい。
交換留学の費用は、渡航費など一人当たり年間約200万円の個人負担が発生するが、これも教育予算で一定割合を国や自治体などが支援すればよい。
これにより、全国津々浦々の学校に留学生を行き渡らせる。
ネイティブ・ティーチャーを雇うにも費用は発生するのだから、それがネイティブ留学生に置き換わったと考えれば割高ではない。留学生は報酬を受け取る訳ではないから、むしろ割安かもしれない。
受入留学生を、それぞれの受入学校で一緒に学ばせれば、休憩時間や行事や部活動など、英語の教科学習の授業時間以外にも、英語を話す機会が大きく増える。
留学生を受け入れるホスト・ファミリーに小中高生がいれば、生活を通して活きた英語を学ぶことも可能になる。教育熱心な家庭など自ら進んで留学生を受け入れたいと考える家庭も少なくはないだろう。
可能であれば、イギリスやオーストラリアやニュジーランドやカナダなど、訛りの少ない英語圏からの留学生をより多く受入れるのが効果が高いと思う。
シンガポールなどでも英語は公用語だが、シングリッシュと言われるほど訛りが強いので、標準的な英会話習得目的としては、課題がありそうである。
同世代と外国語でコミュニケーションすることは、高い外国語習得効率が期待できる他に、外国人と外国語で話すことへの自信にもつながり、広い意味での異文化コミュニケーション能力の向上も期待できる。
そもそも、英会話力向上の最終目標は、異文化コミュニケーション能力の向上だと言っても過言ではないだろう。
効果が薄いか非効率な英会話教育は、早々に改善するべきである。
この英語圏からの留学生受入を積極的に拡大させる政策について、ぜひ検証してみていただきたい。
少子化が進み、教室に余裕がある学校も多いだろうから、椅子や机が足らないなどということはないだろうし、地方にいても活きた外国語に触れる機会が得られるから、巷で問題視されている英会話教育の地域間格差も解消できる可能性がある。
人口減少や少子化で悩む自治体こそ、留学生の受入を積極的に推進してみてはどうだろうか。英語4技能教育積極推進自治体の看板を掲げることで、より積極的な少子化対策や人口減少対策になる可能性もある。
政府も、少子化対策と言いながらも、子育て支援策の延長になってしまっているような現状の政策に、巨額の血税を投入するくらいなら、より将来性のある政策に予算を振り向けるべきである。
=お知らせ1=
秋から開講時間帯の延長を計画しています。これに伴い、遅い時間帯での通塾をご希望される中学生(高校受験生)を追加募集する予定です。
=お知らせ2=
これから鹿児島県立楠隼中学校を目指す受検生は、共学化や高校募集停止や自宅通学可についての詳細が判明するまでの当面の間、「中堅私立中チャレンジコース」(男女ともに募集)でお引き受けします。尚「都立中合格コース」では、楠隼中を併願受検する受検生向けに、今まで通り楠隼中併願合格指導を実施します。
=お知らせ3=
体験授業をご希望されます方は、PC版トップページの「インフォメーション」→「体験授業・学習相談」→「体験授業のお申込方法」を、事前にご確認いただいてから、ご連絡をお願いします。
*「24時間WEB予約」は、ご利用をご遠慮ください。
=お知らせ4=
「教室案内」のチラシを「教室の入口ドアの外面に置く」ことにしました。ご自由にお持ち帰りください。ドアノックやインターホン呼び出しの必要はありません。
=お知らせ5=
こちらからの返信メールにお気づきになられない方が多いようです。いつもはご覧になられていないホルダーなども、ご確認くださいますようお願いします。
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