[2023年11月8日]
都立中入試は新しいステージに入ったと考えるべきだろう。
最初のステージは、「公立の」中高一貫校だから、学費が公立中高なみなのに、「私立の」中高一貫校の名門進学校のような教育が受けられるという、入学後の学費を気にしないでよしとする層によるブーム期だ。
適性検査の対策がまだ広く浸透していなかったので、一部で番狂わせも起こり、誰にでもチャンスがありそうだという誤った解釈から、十分な対策もしない層を含め、猫も杓子も殺到した時期だ。極端な高倍率が記録された時期でもある。
次のステージが、適性検査対策をしっかりすれば、誰でも合格できるという誤った解釈が広がった時期だ。大手の公立中高一貫校対策塾のプロパガンダが成功していた時期である。依然として高倍率が続くが、極端な高倍率ではなく、徐々に倍率が低下傾向になり始めた時期でもある。
その次が、明らかな倍率低下期だ。適性検査問題が明らかに高難易度化し始めた時期と重なる。記念受検組が合格することは全くなくなり、かなりの優等生でもバタバタと不合格になるようになった時期だ。
倍率が下がったのに、適性検査対策大手塾の合格率が有意には改善しなかった時期でもある。目ざとい受検生の一部は学力試験対策大手塾なら合格可能性が上がるのではないかと期待して移動したが、そこでも合格率が上がらないことを悟り始めた時期でもある。
次の新しいステージでは、適性検査対策で成功しそうな層だけが参戦する、少数精鋭どうしでの激戦の場に、移行するだろうと思われる。
イメージとして最も近いのは、難関国立大学附属中における闘いである。
筑波大学附属駒場(男子校)
筑波大学附属(共学校)
お茶の水女子大附属(女子のみ該当)
事実、小石川は難易度で、すでに筑波大学附属やお茶の水女子大附属を上回っている。都立武蔵などもこれに迫る難しさにある。残る都立中もジリジリと難易度を上げつつあり、難関国立大学附属校との差を詰めつつある。
都立中の男女合同定員化は、一時的な波乱要因にはなるかもしれないが、中長期的には、さらなる難易度の上昇につながると見ておいた方が安全であろう。
リーマンショックや東日本大震災以降、極端な不況が起らず、所得上位層の家計収入は安定していたことから、私立中学受験ブームは歴史的な活況となっているが、参戦できる層はもうすべて参戦し尽くしつつあり、中学受験ブームはそろそろ頭打ちとなる可能性が高い。
私立の中高一貫校であれば、大学進学をふくめて明るい未来が約束されているかのように考えた層が、理想と現実の大きな乖離を知るようになり、それが世間に拡散したことで、今後は沈静化に向かう可能性が高い。
私立中学受験は、限られた優等生による闘いに戻り、難関国立大学附属中受験は限られた優等生による闘いのままであり続け、これに都立中高一貫校が加わる構図に、なっていくであろうと予測する。
夢が覚めた層が向かう先は、いったい、どこなのだろうか。
大学受験における、一般入試定員減少、総合型・推薦型定員の増加、大学総定員の増加などを受けて、受験競争は保護者の世代や、保護者の親の世代とは、全く様変わりしてしまった。
大手塾や大手予備校に洗脳されて、成果の上がらない受験対策に引きずり込まれていては、明るい将来はない。
夢から覚めた層が、新たに見出せる夢世界は、ありそうもない。
そうした中、どこでどう闘うことが、わが子に適しているのか。
それが見極められる親子だけが成功する時代に入っているのである。
<お知らせ>
中学受験生と高校受験生と大学受験生の塾生人数の最適バランスを目指し、しばらくの間(向こう2年〜3年間程度の予定)は、特に高校受験生を積極的に募集する方針です。
中学受検生や中学受験生の募集人数を絞ることはしませんが、募集基準緩和・募集期限延長や、募集期限を過ぎてからの追加募集などは、少なくとも向こう数年間は行いませんので、ご希望者は募集期限にご注意をお願いします。
午後9時過ぎまで開講する曜日を増やして、部活動や生徒会活動などで学校下校時間が遅い日でも通塾しやすいようにします(曜日と時間帯はあらかじめ固定していただきます)。
通塾(週2日や週3日)と在宅受講を組み合わせることで、通塾しない日でも、高校受験対策や定期テスト対策ができることは、これまでと変わりありません。
高校受験対策用の授業と定期テスト対策用の授業を、並行して受講できますので、充実した授業内容にご満足いただけると思います。
早い段階から合格力を育成するとともに、中3では総仕上げ演習や過去問演習に早期に専念できるようにして、高い目標の実現に向けた指導をします。
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