[2023年12月14日]
失われた30年が終わりを迎えようとしている。
しかし、ここから先が明るい未来になるという保証はない。
バブル経済崩壊後に長く続いたデフレ経済が、終わりそうなだけに過ぎない。
高齢化は続き、少子化に歯止めがかかる見込みがない。
人口は大都市圏に集中し、地方の疲弊は想像を絶する。
多くの地方圏で、名門公立高校が実質定員割れを起こすようになった。
地方では、高校受験に競争がなくなりつつある。
一方で、首都圏圏の私立中学受験では、中堅校や中位校の入試が空前の激戦となっている。
中堅や中位の私立中学を目指す受験生が、中学受験大手御三家塾に殺到するという、摩訶不思議な現象も起きている。
難関中学向けの高難易度な授業を理解できないまま、長時間にわたり塾の教室に座り続けている小学生たちが大勢いるようになった。
難関中学向けの高難易度な授業を理解できない子を嘆きながらも、それでもなお、大手私立中学受験大手塾にわが子を通わせ続ける保護者も大勢いるようになった。
中学受験率が上昇しても、御三家や難関校の定員が増える訳ではないから、俯瞰的に見ればあたりまえのことだが、当事者にはそう見えないようだ。
苦しいだけの長時間勉強を耐え抜いた先にあったのは、夢見た結果ではなかった。
多額の支払いと悶々とした長い日々の先にあったのは、わが子の成功ではなかった。
それが過熱する首都圏中学受験の実態である。
多額の資金と膨大な時間を失って、その先に手に入れることができたのは、懇願していたものとは全く違うものだった。
望むものが手に入らなかったにもかかわらず、失うものだけは大きかった。
明日は何が起こるか分からない時代に、不用意に失うものだけを増やすのは、危険である。
大学進学費用に余裕がなくなる。
住宅取得費用に余裕がなくなる。
老後生活資金に余裕がなくなる。
それだけではない。
激動期に起こる生活変化に対応する余裕資金まで失うことになる。
世界経済における先進諸国のシェアは、年々下がり続けている。
世界人口における先進諸国のシェアは、年々下がり続けている。
日本のGDPは、中国に抜けれ、ドイツに抜かれ、今や世界第4位だ。
日本の国民一人あたりGDPは、ついに韓国に抜かれた。
日本は今、状況がさらに悪くなる速度をいかに緩やかにできるかの闘いのさなかにいる。これからどれだけ良くなるのかというステージにはいない。
これからも、先の見えない時代が続くだろうから、成果を期待することが難しい闘いに身を投じるのは、とても危険である。
激動期の今こそ、中学受験でも、高校受験でも、都公立をめざすべきである。
軍資金は、いざという時のために、大切に温存しておいた方が賢明だ。
高額な大手御三家塾ではなく、さらに高額な大手個別指導塾なら、成果が上がると考えるのも、甘い。
その時一瞬は理解できたかのように感じても、定着は怪しく、アウトプットはもっと怪しく、成績が上がるかどうかはさらに怪しい。
大手はマーケティングのプロである。
お人好しで、疑い深くなく、世間は善人ばかりだと思ってしまう、世の中のほとんどの親子は、巧妙な疑似餌に、いとも簡単に吊り上げられてしまう。
赤信号を多くの人が渡るのを見ても、安易に追随せずに、しっかりと安全確認をすべきである。
激動期こそ、より安全確実な道を、選ぶべきである。
激動期こそ、失う物が少ない道を、選ぶべきである。
激動期こそ、都公立をめざすべきである。
幸せになれるかどうかは、通学塾しだい、ではない。
幸せになれるかどうかは、通学校しだい、ではない。
幸せになれるかどうかは、進学先しだい、ではない。
幸せになれるかどうかは、就職先しだい、ではない。
幸せになれるかどうかは、あなたしだい、なのだから。
<お知らせ>
募集基準の在り方を徐々に見直してまいります。
都立中の長く続いた合格難易度の上昇で都立中の募集基準が厳しくなり過ぎてしまった点を見直します。これまで以上に指導内容を改善して合格指導を充実させ見直しによる影響を最小限に抑えてまいります。都立中だけでなく私立中学受験や高校受験や大学受験の募集基準の見直しも行います。
すでに、主要な常設コースの基準を見直しましたので、それぞれのコースページでご確認ください。
これまでのご愛顧への感謝の気持ちを大切にして、これからも受験指導に励んでまいります。
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