[2024年1月15日]
中学入試は埼玉入試が1月10日に解禁となり、大学入試は13日と14日大学入試共通テストが実施され、高校入試は私立も都立も推薦入試がまもなく実施される。
時の流れは早い。今年の受験シーズンを迎えた。そして、気がつけばすぐに終わる。
都内の中学受験生は、埼玉校で練習受検をすることが一般的となっているが、気をつけて欲しいのは、公立中高一貫校を第一志望とする受験生は学力試験型の入試で欲張らないことだ。
学力試験型中学入試は適性検査型中学入試とは根本的に出題傾向が違う。適性検査型模擬試験の偏差値は学力試験型の偏差値には読替えはできない。適性検査型模試の偏差値が高くても、学力試験型の偏差値が高くなければ、学力試験型入試での相応の成果は難しい。
逆も然りである。
学力試験型模試の偏差値が高くても、それだけでは適性検査がt入試は突破できない。思い切って難易度を下げればそれなりの成果は出る可能性はあるが、適性検査型模試の偏差値をもとに学力試験型入試校を受験しても厳しい現実を味わう可能性が高い。
高校入試における推薦入試も注意が必要である。私立高校の推薦入試は実質的に合格が確約となる。出願できた時点で合格は確実である。一方で公立高校の推薦入試は競争試験となる。都立高校の推薦入試は高倍率となることが多く、定員までしか合格者は出ないので、多くは不合格になる。
近年、最も注意が必要なのは「大学入試共通テスト」を利用する大学入試である(以下「共通テスト利用」または「共通テ利用」)。
そもそも「大学入試共通テスト」は「大学入試センター試験」とも、その前の「大学入試共通一次試験」とも、出題傾向が大きく違っている。
高校学習内容の徹底した理解があれば解けた「センター試験」や「共通一次」とは違い、「共通テスト」は知識暗記や解法パターン暗記では解けない問題を志向して作問される。国公立大学の多くの二次試験とも出題傾向が違う。
このことに、高校現場も十分に対応できていないし、塾予備校の多くも対応できていないし、市販の参考書や問題集も対応できていない。過去問も少ないので過去問演習を積んだだけでも対応できない。
実に厄介なのが「共通テスト」なのだ。
加えて、私立大学の「共通テ利用」入試が曲者である。定員が少ないため個別一般入試の難易度に比べて少なくとも2ランク程度難易度が上がる。
個別入試でなら合格できそうな大学に「共通テ利用」で合格することはまずない。滑り止め大学を「共通テ利用」で確保しても、結局は個別試験で確保できる滑り止めの方が格段に難易度が高い大学になるから、実質的に「共通テ利用」で合格を確保しても、ほぼムダになる。
とりあえず合格をいただくことができたという安心を確保しておくくらいにしかならない。
一方で「共通テスト」を併用(以下、「共通テスト併用」または「共通テ併用)して入試を行う大学や学部は「共通テスト」の受験が必須になる。
代表格が早稲田大学の政治経済学部だ。
「共通テスト」は私立大学の個別一般入試とも出題傾向が違うため、早稲田大学志望者が、政治経済学部と、法学部や商学部や教育学部などを併願する場合、実質的に難関国立大学と最難関私立大学を併願するような対策が必要になる。私立大学だから高校2年生になってから本気を出せば何とかなると考えると、厳しい挑戦になる。どちらかを優先すれば、どちらかに手が回らないというジレンマに陥ることになるだろう。共倒れする受験生が多いと思われる。
共通テ「利用」入試と共通テ「併用」入試は、根本的に闘い方が違ってくる。そして、それぞれに合った十分な対策が必要になる。
いずれにしても、大学入試では、知識の単純暗記や解法パターン暗記は、オワコン化しつつある。知識の単純暗記や解法パターン暗記で乗り切ろうとする受験生を、「共通テスト」や「総合型選抜」や「推薦型選抜」で振り落とそうとしているのが、最新の大学入試である。
誤解のないように申し添えるが、知識の理解と、解法の理解は、必要である。できることなら、知識と解法も暗記できておいた方がよい。ただ、それだけでは勝ち抜けないことを理解すべきである。
オワコンで勝負したいのなら、入試改革が遅れている私立大学をお勧めする。旧態依然とした出題をする私立大学がまだまだ多くある。ただ、そうした大学が今後も評価される大学であり続けられるかは分からない。
高校生になってから話しが違うと慌てないように、中学受験や高校受験の段階から、思考力や分析力や判断力や表現力を磨くことに注力しておく必要がある。
何をどうすればよいのかはシンプルである。それぞれの領域で本質的な理解を目指すことである。
図形であれば、円とは何か?正方形とは何か?正多面体とは何か?それぞれにどんな性質があるのか?を意識して学ぶことである。面積や体積や角度が計算できただけで、円や正方形や立方体が理解できたと勘違いしないことだ。
本質を理解できていれば、思考力問題も、判断力問題も、分析力問題も、表現力問題も、解ける。
逆に、本質を理解できていなければ、思考力問題でも、判断力問題でも、分析力問題でも、表現力問題でも、悪戦苦闘することになる。
思考力問題や、判断力問題や、分析力問題や、表現力問題に、解法パターンや単純暗記を持ち込もうとしても、通用しない。そうした指導をする塾や予備校は注意した方がよい。指導力が根本的にないし、合格力育成力もないからだ。塾生徒数が多ければ合格者数も多くなるので見分けは難しいかもしれないが、保護者も受験生も、そこはしっかりと見抜いた方がよい。
さもなくば、中学受験でも、高校受験でも、大学受験でも、苦戦するだけの受験生生活を送り続けることになるから。
次回は、併願戦略について書きたいと思っている。併願戦略は、中学受験と、高校受験と、大学受験では、それぞれに、本質的に違う。
大学受験では、合格したら入学したい大学だけを受験するようにと指導する塾や予備校があるようだが、中学受験でそれを実践すると全滅の可能性が高くなる。大学受験と違って中学受験は最終学歴にはならないことがほとんどだから、併願の考え方が自ずと違うことを理解して臨むべきである。まだ幼い中学受験生は練習受験をしないと実力が出し切れないことがほとんどであることを理解しておくべきである。
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合格実績の更新を待たれてご判断される方もいらっしゃるかもしれませんが、今年も大学受験生は健闘してくれると思いますが、正規の中学受験生や高校受験生は例年になく極端に少ないですので、ご期待はされないでください。正規の受験生がいなければ合格もありません。模擬試験のみの受験者や短期直前講習のみの受講生などを合格実績に含めるようなことはしておりません。
<お知らせ2>
「資料請求」をいただいた方へご案内します。かねてよりご案内の通り、資料の送付は行っておりません。資料をご希望されます場合は、教室入口扉の外側に、お持ち帰り用の資料をご用意していますので、ご自由にお持ち帰りください。ノックやインターホン呼出の必要はございません。むしろご遠慮をお願いいたします。
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