[2024年3月18日]
大学進学率は全国平均で50%を超えるようになったが、高校進学率は随分前からほぼ100%であることの認識に異論はないであろう。
高校受験で進学校と呼ばれているのは高校受験偏差値で65前後からであるが、この認識はどうだろうか。
大学進学率を50%を、概ね高校受験で偏差値50以上の受験生だけが大学受験を目指すとみなせば、高校受験偏差値50の受験生は大学受験偏差値の下限付近となるから25〜30くらいになる。
大学受験偏差値50は、高校受験偏差値50以上の受験生の上位と下位50%の境目になるから、概ね高校受験偏差値では57.5くらいである。高校偏差値57.5の受験生が大学受験偏差値50とも言い換えられる。
正規分布は一様分布ではなく、裾に近づくほど度数は極端に小さくなっていく、つまり乖離が大きくなっていくから、この偏差値7.5がすべての難易度帯にパラレルスライドする訳ではないが、概算で計算しやすいように、この7.5の差を全ての難易度帯で使えば、次のようになる。
大学受験偏差値57.5(成成明学武中間学部)≒高校偏差値65.0
大学受験偏差値60.0(MARCH下位学部)≒高校偏差値67.5
大学受験偏差値62.5(MARCH中間学部)≒高校偏差値70.0
大学受験偏差値65.0(MARCH上位学部)≒高校偏差値72.5
大学受験偏差値67.5(早慶中間難易度学部)≒高校偏差値75.0
ひっくり返す。
高校偏差65.0≒大学受験偏差値57.5(成成明学武中間学部)
高校偏差67.5≒大学受験偏差値60.0(MARCH下位学部)
高校偏差70.0≒大学受験偏差値62.5(MARCH中間学部)
高校偏差72.5≒大学受験偏差値65.0(MARCH上位学部)
高校偏差75.0≒大学受験偏差値67.5(早慶中間難易度学部)
入学した偏差値別高校内での学力中間層が、どの程度の難易度の大学に合格できるかの目安になる。
具体的には、偏差値70超(模試にもよるが73〜75)の都立日比谷高校の大学合格実績では早稲田や慶應の合計合格者数がMARCHの合計合格者数を大きく上回るが、それより偏差値で5ポイント低い都立青山高校ではMARCHの合計合格者数が早稲田と慶應の合計合格者数を大きく上回る。日比谷も青山も都立高校重点進学校だが進学実績では大きな違いが生じている。
興味深いのは私立高輪である。早稲田と慶應の合計合格者数とMARCHの合計合格者数が拮抗しているからだ。ともに合格大学のボリュームゾーンとなっている。高輪の現在の偏差値(しゅともし合判偏差値)は入試回により64〜68(算数入試は70)だが、6年前は63〜65(同70)だったので、中学受験偏差値65付近が、早慶とMARCHを分ける分水嶺と考えられる。その証拠に平均偏差値が70超の私立芝は早稲田と慶應の合計合格者数がMARCHの合計合格者数を上回る。
これらの証拠も上記の推計表と整合的である(高輪も芝も男子校のため推計よりやや上振れしている)。
分かりやすく言えば、高輪では学内の中の上なら早慶、中の下ならMARCHがおもな合格先となり、芝では学内の中なら上下に関係なく早慶がおもな合格大学となる。どちらも上位層であれば東京大学などの難関国立大学や医学部医学科に合格する。進学校ではよく見られる現象だが、学内下位層は深海魚でなくても合格先が(おもに下方向に)ワイドレンジになるからここでは議論しない。
中学受験と高校受験では、高校受験の偏差値の方が5(高校偏差値65以上)〜12ポイント(高校偏差値50未満)高くなるので、中高一貫校進学校に入学したのなら高校偏差値を5〜7.5ポイント程度調整してみていただければよい。
中学受験偏差値60 ≒ 高校受験偏差値65(〜67.5)
巷でよく聞く大きな勘違いは、偏差値65の高校に進学したのだから、偏差値65の大学であるMARCHには合格できるであろうという誤認である。
偏差値65の高校からだと校内上位層でないとMARCHには届かない。中間層中位層で成成明学、中間下位層は日東駒専、下位層はよくて大東亜帝国、ほぼ関東上流江戸桜、最下位層はFランク大学への進学となろう。
大学受験偏差値67.5よりも上(大学受験偏差値70.0)は、高校受験偏差値からは換算が推計できない難易度帯となる。
大学受験偏差値67.5よりも上には、私立大学(一般学部)では早稲田大学政治経済学部(共通テスト利用と共通テスト4科目併用)、国立大学(一般学部)では東京大学と京都大学難関学部と国公立大医学部医学科くらいしか該当しない。
高校受験偏差値65未満の高校生は、大学受験で大きな勘違いを起こしやすい。言い換えれば、大学受験で自己の能力を過大評価しがちである。
勘違いは、入試科目数が少ない私立大学ではよいモチベーションになるかもしれない(よい結果になるとは言わない)が、フル科目受験が大前提の国立大学では命取りとなる。
大学受験偏差値と高校受験偏差値の根本的な違いを理解した上で、大学受験に挑戦すべきである。
地頭で逆転などと考えたり叫んだりするのは、高校受験偏差値75以上の一部の高校生だけの特権だと、思っておいた方がよい。
世の中の98%以上の大学受験生は、ただひたすら時間をかけて、受験勉強に励むしかないのである。
しかも、早く気がついた受験生だけしか成功しない。早くとは、高2や高1のことではない。小4や小5のことだ。小学校高学年までに気がつかないと、難関大学や難関学部の攻略はかなり厳しくなる。
しかも、どの中学かやどの高校を目標とするのかではなく、中学受験や高校受験の段階で消耗しきってしまわないで、どの大学や学部を目標とするのかをしっかりと意識して、小4から一貫性をもって計画的に取り組むのがよい。
<<よくあるご質問への回答>>
Q:楠隼中コースの募集はしていますか?
A:楠隼は、令和6年度に小5となる受検生の入試から、完全中高一貫化や共学化など大幅な募集変更が予定されています。このため令和6年度の小5以下は「楠隼中コース(楠隼中合格コース)」での募集は見合わせ、楠隼中受検生も「都立中コース(都立中合格コース)」でのみ募集いたします。将来に「楠隼中コース」での受検生募集を再開するかどうかは現段階では未定です。
コロナの影響でこの3年間は在籍した受検生(小学生)が少なかったため、今年度まで「小6適性検査対策完成コース」(特別募集)をご用意します。令和6年4月中旬が締切です。
令和7年度は受験学年を迎える在籍塾生数が通常人数に戻る見通しのため、令和7年度に小6となる受検生(令和6年度の小5)の小6での特別募集は予定していません。
<<募集停止期間のお知らせ>>
令和6年3月23日(土)から、令和6年3月31日(日)まで
*3月1日から3月13日までにいただいた「お問い合わせ」や「お申し込み」や「資料請求」のすべてには、返信メールをお送りしています。
届いていないと思われた方は、こちらからの返信メールが、迷惑メールなどに振り分けられていないかのご確認をお願いします。
*「教室チラシ」を教室扉外側にご用意してありますので、ご自由にお持ち帰りください(早朝から午後9時まで)。その際にノックやインターホン呼び出しはご遠慮ください。
*「資料請求」はご遠慮ください。ご案内の通り対応しておりません。
*「お問い合わせ」は、入塾に関してホームページの記載内容では不明なことがある場合にご利用ください。受験お悩み相談はご遠慮ください。対応いたしません。
さて、
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