[2024年5月16日]
今回は、国公立大学文系受験生にとって理科基礎はどの科目を選べばよいか、を考えてみる。
なぜ文系受験生に絞るかというと、理系の場合は「物理と化学」か「化学と生物」のほぼ二択でしか受験ができないため、迷いようがないからである。
理科基礎には、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の4つがある。国公立大学文系受験生の場合、この中から2つを選んで受験することがほとんどである。もちろん「生物」だけなど基礎科目ではない1つを選んで受験できなくはないが、基礎2つを選ぶより対策負担が大きくなりやすいのでお勧めではない。
計算の多さ:物理基礎>化学基礎>>生物基礎>地学基礎
暗記の多さ:生物基礎>>化学基礎>地学基礎>物理基礎
高得点狙い:物理基礎≒地学基礎>生物基礎>>化学基礎
計算が苦手なら、物理基礎と化学基礎は選ばない方がよい。
暗記が苦手なら、生物基礎と化学基礎は選ばない方がよい。
社会で世界史や日本史の暗記が苦にならないなら生物基礎は相性がよい。
社会で地理総合・地理探求の系統地理が得意なら地学基礎は相性がよい。
補足すると、生物基礎は理科基礎の中では暗記量が最大になるが、社会の世界史や日本史、あるいは英語の英単語や英熟語や英語法で必要な暗記量に比べたら4分の1程度の暗記量しかないので、怖れるに足らない。その意味では化学基礎の暗記量はさらにたいしたことはない。
もっと言えば、物理基礎や化学基礎の計算も、数学?Aや数学2BCに比べたら赤子の手をひねるくらい平易である。数学が苦手でも御せなくはない。
数学の計算が苦手なら物理基礎と化学基礎は選ばない方がよい。
理科基礎で高得点を狙いたいなら化学基礎は選ばない方がよい。
これらを踏まえると次のような組み合わせが考えられる。
計算はとにかく嫌:生物基礎と地学基礎
暗記で得点したい:生物基礎と地学基礎
計算も数学も得意:物理基礎と化学基礎
暗記はとても苦手:物理基礎と地学基礎
時短で攻略したい:物理基礎と地学基礎
高得点を狙いたい:生物基礎と地学基礎、生物基礎と物理基礎、地学基礎と物理基礎
化学基礎は化学ほどではないが、最も攻略しずらく高得点に到達するまでに時間と労力がかかるので、外せるなら外した方がよい。
とにかく理系科目はどれも苦しいなら、物理基礎も外した方が、受験勉強が辛くならず、成績も安定させやすいだろう。
結論、
数学が苦手な受験生なら、生物基礎と地学基礎
暗記が得意な受験生なら、生物基礎と地学基礎
数学が得意な受験生なら、物理基礎と地学基礎か、物理基礎と化学基礎
超高得点を狙いたいなら、物理基礎と生物基礎か、生物基礎と地学基礎
難点は、地学基礎や地学の授業が選択できない高校がほとんどであることだ。文系受験生の場合、高校で履修していなくても共通テストで地学基礎を選んでも大丈夫だと思うが、念のため出願予定の国公立大学の募集要項で確認していただきたい。
高校の都合で、化学基礎が必須で、物理基礎か化学基礎から1つを選択になっていることが多いと思うが、理科基礎は学校の授業を受けていなくても共通テストで高得点が狙えるので、その点に縛られずに判断してもよい。
特に地学基礎は授業があってもなくても影響はほとんどない。地学基礎を選択した受験生の多くは、高校で地学の授業は受けていないと思われる。なぜなら地学を教えられる教師がどの地域にもほとんどいないからである。
授業があるかどうかよりも、受験勉強対策を指導してもらえるかどうかの方が影響が大きい。授業がっても満足な受験指導がしてもらえないなら期待することはできず、授業がなくてもどう受験対策したら高得点を狙えるかを示してもらえるなら大丈夫である。これは通学する高校だけでなく塾や予備校にも言える。塾や予備校にも地学講師はほぼいない。いてもパートタイムの兼業講師であることが多い。あてにならない。
それよりも、生物基礎か物理基礎の選択希望を提出する前に、早い段階でそれぞれの学習範囲や学習内容や出題内容をしっかりと確認をして、相性がよい組合せを事前に承知した上で、受験対策を始めるのがよい。
共通テスト対策向けの地学基礎の参考書や問題集は結構ある。地理や政治経済や倫理よりも多いかもしれない。
・共通テストの点数が面白いほど取れる 地学基礎
・ゼロから始めて100まで 地学基礎
・地学基礎をはじめからていねいに
・きめる!共通テスト 地学基礎
・地学基礎 講義の実況中継
・30日で9割とれる 共通テスト 地学基礎
・一問一答 地学基礎 (東進)
・早わかり一問一答 地学基礎
・寝る前5分暗記ブック 高校地学基礎
・共通テスト 地学基礎 集中講義
・ハイスコア共通テスト攻略 地学基礎
・短期攻略 共通テスト 地学基礎
・マーク式基礎問題集 地学基礎
・共通テスト スマート問題集 生物基礎/地学基礎
・共通テスト過去問研究 地学基礎
・共通テスト総合問題集 生物基礎/地学基礎
・大学入試共通テスト実践問題集 生物基礎+地学基礎
・必修整理ノート 地学基礎
・リードLightノート 地学基礎
もちろん、たくさんそろえる必要はない。教科書(なければ三省堂書店などで手に入る)、解説系参考書1冊、サブノート1冊、一問一答1冊、基本問題集1冊、共通テスト対策問題集(過去問題集・予想問題集)1冊あれば、十分以上となろう。
文系受験生は、国公立大学の二次試験や、私立大学の個別学力試験で理科や理科基礎の対策をする必要はなく、共通テスト対策だけになるだろうから(早稲田の政治経済学部は理科基礎も選択科目)、学校の都合などには影響されずに、それぞれの受験生にとって、高得点が狙える最適な科目の組合せを選ぶべきである。
追加でひとこと。好き嫌いがほとんどない文系受験生が、最も少ない時間数で高得点を狙うなら、地学基礎と物理基礎の組合せとなろう。理系科目が苦手な文系受験生が、最も安定して高得点を狙うなら、生物基礎と地学基礎の組合せとなろう。
文系受験生は、英語と、世界史や日本史と、古文・漢文と、現代文の攻略に、相当な時間数を割かなければならない。国公立大学受験生なら数学の攻略にも時間がかかる。理科基礎に貴重な時間の多くを投入する余裕はない。理科基礎に足を引っ張られていたら志望校合格が怪しくなる。一方で理科基礎を早期かつ短時間で攻略し安定して高得点を取れるようになれば、志望校合格が現実味を帯びてくる。
理科基礎(ごとき)に、時間をかけてはいられない。
理科基礎は、相性がよければ文系受験生であっても満点や満点近くが狙えるので、得点率90%以上が目標という基準で、選んでみてはいかがだろうか。
<おしらせ1>
・「資料請求」と「お問い合わせ」はご遠慮いただいております。
・「お電話」や「ご予約なしでのご来室」もご遠慮いただいています。
*教室チラシを教室入口ドアの外に常時置いていますので、ご自由にお持ち帰りください。
<お知らせ2>
・「コース」内容は、PC版ホームページの「小学生」か「中学生」か「高校生」や「キャンペーン」からか、スマートフォン版の「インフォメーション」一覧から確認ください。
・スマートフォン版では表示スペースの関係で一部のコースしか表示されていないことがあります。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村