[2024年6月3日]
1人一人が合理的な判断をしても、多くや全員が同じ選択をすると、社会全体としては好ましくない(悪い)結果になることを「合成の誤謬」という。
第一次大戦前や第二次大戦前の大不況時に、それぞれの国が保護貿易に走ったり、市場獲得のために植民地獲得競争を進めたり、ブロック経済を強めたりしたことで、結果としてどの国も不況から抜け出せず、保護貿易やブロック経済や植民地獲得競争そのものが、世界を巻き込む世界大戦という悪い結果につながっていったことが、例として引き合いに出されることが多い。
合成の誤謬はビジネスにおいても起こる。
不況により売上が減少した企業が人員整理を行えば、社会全体としての所得が下がり、社会全体の購買力も下がるから、結果としてまた売上が下がり、利益がでなたいめに次なる人員整理を行い、それがまた売上の減少につながるという無限ループとなる。
実は受験競争においても似たようなことが起る。
私立や公立の中高一貫校が受験競争で勝利するには最適だと判断した個々人が、中学受験や中学受検に殺到すると、そこでの競争が激化して思うような結果が手に入らなくなる。
そこで今度は個々人みんなが高校受験に方針転換すると、こんどは高校受験の競争が激化して、期待したような結果に繋がらなくなる。
現実には複合要因によって状況や結果が異なるのでより複雑になる。
合成の誤謬に似た事象として「囚人のジレンマ」がある。
協力することで全体としての利益が最大になることがわかっていても、協力しない方が個別の利益を最大にすることができるとき、囚人(プレーヤー)は協力しない(仲間を裏切る、相手を騙す、抜け駆けする)。しかし、誰もが協力しないと全体としての利益は下がるばかりか、意図した個々の囚人の利益の最大化も実現できない。
話しを戻すと、不況でみなが支出を控え貯蓄を選好すると、貯蓄率は上がるが、後にみんなの収入は減るので、結果としてみんなそろって貧しくなる。倹約が「失われた20年」や「失われた30年」を引き起こす。
円安不況でさらに支出を減らせば、さらに将来の収入(インフレ修正後の収入)は減る。
日本は巨額の財政赤字で財政出動ができなくなっていて、巨額の赤字国債を中央銀行である日本銀行が引き受けているので適切な金融政策も打てない。財政赤字の解消を目的とした増税を拒めば、財政赤字は増殖し、円の信用が下がって円安が恒常化し、さらに状況は悪化する。
おりしも世界経済は政治的(軍事的)な対立による経済制裁や経済ブロック化や保護貿易化を強めている。
これは世界恐慌につながりかねず、意図せず大規模な国際紛争を起こしかねない。
あなたの節約が、世界恐慌や世界大戦の、引き金になるかもしれない。
そこまで大げさなことが起らなくても、あなた個人が最適だと思った判断や行動が、意図せずあなたの子を受験で窮地に追い込むかもしれない。
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