[2024年6月17日]
大学入試共通テストは、今年度の高校3年生から新課程入試へと突入する。
大学入試センターが公表した新課程入試の概要や試作問題をしっかり検証してみると、これまでの常識が通用しないことがわかる。
歴史上の人名暗記では対応できない
歴史上の年号暗記では対応できない
歴史上の事件名暗記では通用しない
つまり、暗記では通用しないし対応できない出題となる。
キーワードは、考察、理解、推測、資料、データ、因果関係、概念、情報、総括、探究である。知識は前提条件であり、それだけでは正答できない。
これを受けて、5月2日の日記で書いた世界史攻略法を全面的に撤回する。
しばらく残しておくが、誤解をまねかないように、いずれ削除をするつもりだ。別の攻略法で臨まなければ新課程世界史では高得点を目指せないと判断した。
市販の参考書のほとんど全てが、まだ新課程入試に対応できていないことにも注意が必要である。
新課程入試にいくらかなら対応できている市販参考書はなくはない。現時点ではあまり評判がよくないようで、いわゆる参考書ルートで取り上げられることはない。ある現役予備校講師がこの内の一つを紹介しているが、この方は大型書店で目についた参考書すべてを独断で評価しているためであり、その予備校講師の評価も今一つである。
ということは、予備校の世界史の講義を受けても、内容はまだ新課程入試には対応できていない可能性があることを示唆している。
過去問だけを分析していると陥りやすい罠である。試作問題を解いてみて愕然とした。ただ試作問題の傾向通りに出題されないところが今の共通テストの常識なので、新傾向に全振りすることもまたリスクではある。
さらに、難関私立大学の入試問題は、共通テストとは別に独自に作問されるので、そちらにも対応しなければならない。このため、共通テストの新傾向に全振りすることはまだ危険なので、旧傾向と新傾向のどちらにも対応する対策が安全ではある。
個人的には新課程入試の新傾向は大歓迎である。これぞあるべき入試問題だという手ごたえがある。
筑波大学の学長が、筑波大学は5年程度以内に二次試験を廃止する方向だと公表した際には、それで大丈夫かと疑問に思ったが、今はその真意が理解できたように思う。
共通テストの英語リーディングが難しくなったと評する多くの大学受験指導者の意見に強い違和感を覚えていた。共通テストの英文はむしろ平易になっていたからだ。しかし難しくなったという誤解というか誤認識がなぜ生じるかも分かったように思う。加えて英語リスニングは英語リーディングよりもさらに平易である。しかし、詰込教育をしていたら、詰込教育を受けていたら、正解するのは難しいと感じるのであろう。
共通テストでは、丸暗記や解法暗記やパターン暗記では正解できないので、本当に理解できているかどうかをあぶりだせる。詰込勉強してきた受験生ではなく、本当に理解できるまで正しく学んだ受験生を合格させることができる、画期的な入試になりつつある。
受験生も、受験生の親も、高校教師も、予備校講師も、参考書執筆者も、古い常識からは今すぐ脱却すべきであろう。
今年の春から新課程入試の分析と対策に膨大な時間を費やしてしまったが、無駄ではなかったようだ。
共通テスト新課程入試の対策指南書をまだ塾生に配布していなくてよかっと胸をなでおろしているところだ。
放射性炭素年代推定法などの自然科学的なアプローチが、考古学や歴史学などの社会科学分野にも応用され始めたことで、今後さらに教科書や入試問題が大きく変わる可能性がある。事実、生物の教科書と入試問題は、保護者世代とは大きく違っている。
センター時代の過去問演習をしておけば、共通テストの数少ない過去問演習をしておけば、新課程入試でも今まで通りに高得点が取れるとする指導者には気をつけた方がよい。
痛い目に合ってからでは取り返しがつかないからだ。浪人しても1年で新課程入試には対応できないであろう。現役生は、特に現在の高2以下は、今からすぐに新課程入試に対応した受験対策を開始しておくべきある。
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