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三田学院

[2024年10月8日]

慶應大の世界史日本史

慶応義塾大の世界史と日本史の入試過去問を久々に解いてみたが、なかなかの難問ぞろいであることを改めて確認することになった。

法学部2022年の問題の試験時間は60分である。

問題量と問題難易度からして、かなり短い。

共通テストを基準にすると、日本史における難易度の乖離の方が、世界史における難易度の乖離よりも大きい。

日本史では山川などの検定教科書では学ばない内容のオンパレードである。手元にあったチャート式日本史にも書かれていない内容があたりまえのように出題される。具体的には教科書に載っていない人物名や事件名が頻出するのである。

教科書範囲を超えることについては世界史も同じである。

世界史は前に紹介した参考書「岡田の世界史に」ならほぼ載っている内容が多かったが、山川の教科書だけで合格点が取れるほどには甘くない。第?問の東欧のハンガリーや旧スーゴスラビアの問題は世界史だけでなく地誌の知識と理解が十分にないとなかなか正解を見つけ出すことは難しい問題であるし、第?問は倫理の教科書レベルの知識と理解もなければ完答はできない。

世界史受験だから世界史はしっかり準備しましたとか日本史受験だから日本史だけはしっかり準備しましたでは勝てない問題である。日本史などは高校の日本史だけ教えている先生でも解けないかもしれない難問ぞろいである。

世界史であれば世界史の先生ならなんとか解けるかもしれない。世界史の第?問で問われているのは以下のような内容である。

冷戦のメカニズム
冷戦の構造
ナジ=イムレ首相はどこの国の首相か
プラハの春とハンガリー動乱の違いと区別
旧スーゴスラビア連邦を構成する共和国すべての国名と場所
旧スーゴスラビア連邦を構成する共和国の民族構成
旧スーゴスラビア連邦を構成する共和国の分離独立宣言時期と独立達成時期
民族間紛争の正体
分離独立運動の経緯
なぜNATOが介入したのか
どのようにして難民が発生したかの経緯
UNHCRの活動内容
などである。

旧スーゴスラビア連邦を構成する共和国すべての国名と場所
旧スーゴスラビア連邦を構成する共和国の民族構成

この2つは地理選択の受験生でも正確に答えられない人が少なくない。

慶応義塾の社会科(日本史または世界史のみ)を突破できる受験生像は、ただ進学校の高校授業を熱心に受講し、定期テスト対策もしっかり行い、教科書や用語集を完璧に理解して覚え、共通テストの世界史ではワンチャンス満点ありで90点を安定して取れるレベルを超える。

そうした受験生には入試科目だから世界史を勉強しますという姿勢では、なかなかなれない。

アプローチの仕方はさまざまあろうが、問題意識をもって人類の歴史上のできごとに主体的に向かい合い、そして深層や真相まで理解しようとする姿勢を保ち続け、自分の事として世界の歴史を語れるような人になれなければならない。

網羅系や講義系のハイレベルな受験参考書を攻略できたと思う程度では合格は難しい。

優秀な受験生であっても、慶應大の世界史や日本史の攻略には、毎日しっかと取り組んでも、2年ほどはかかるのではないだろうか。

凡庸な受験生なら一生かけても攻略できないかもしれない。

慶応義塾大に合格したいなら、心えて対策すべきだろう。


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