[2024年10月16日]
都立中高一貫校の応募倍率を予想する。
ここでは九段を除く10校について予想する。
まず過去5年間の一般選抜の状況を確認しておこう。
2024年度(平成6年度):4.03倍
2023年度(平成5年度):4.45倍
2022年度(平成4年度):4.66倍
2021年度(平成3年度):5.13倍
2020年度(平成2年度):5.74倍
2019年度(平成1年度):6.02倍
5年間の平均で1年あたり0.398倍(約0.4倍)ずつ倍率が低下してきている。
ただ、平成4年度から平成5年度のようにほぼ横ばいだった年があり、平成2年度から平成3年度のように0.61倍下がった年もあるから、下がるとしたら下げ幅は0.5〜0.6倍程度までありうると考えておいてよさそうである。
秋の学校説明会の参加状況を(開催された学校だけにはなるが)観察していると、説明会参加者数は明らかに弱い。
説明会への参加申込数が定員に達した場合は抽選としていた学校でも、定員に達しなかったために抽選を取りやめた学校がある。
学校ごとにばらつきはあるが説明会参加者の表情が明るくない。
意気揚々と参加する親子が多かったコロナ禍以前と比べて明らかに暗い。もちろん個人差は大きいが、全体の印象として盛り上がりに欠ける。
解釈の仕方はいろいろとありえるだろうが、ワンチャンス合格狙いの受検生親子が大幅に減り、いわゆるガチ勢ばかりが残ったので、己の仕上がり状況を謙虚に受け止められるがために、そう映ったのかもしれない。
もちろん学校ごとの差も大きい。
A校は落ち着いた感じ
B校はラフな感じ
C校は深刻な感じ
の親子が多かった。
C校については思い当たるふしがあるが、今回はそのことには言及しない。すればそれだけで1つのテーマになるからだ。
ここでいったん途中予想をしておきたい。
2025年度応募倍率(仮)予想:3.5〜3.9倍
ただ、大きなかく乱要因が1つある。
「男女合同定員化」である。
昨年度に九段で先行して実施された「男女合同定員化」であるが、明らかに女子の合格者数が多くなった。
九段だけ1年先行したので優秀な女子が九段に集中した可能性を排除できないが、千代田区民枠(A区分)でいくらか緩和されたとして、A区分とB区分の合計で、合格者の男女比はおおむね1:2となった。
B区分だけならもう少し女子の比率が高かった可能性もある。
しかも合格難易度が女子も男子も上昇している。男女合同定員で男子の合格難易度が上がるのは容易に予想できるが、女子の合格難易度まで上昇した点に注意を払っておくべきだろう。
つまり、応募倍率は下がる可能性が高いが、合格難易度は上がる可能性が高いということである。
男女合同定員化で、九段に続き都立中10校も、男子には受難の入試になりそうである。
男女合同定員化を嫌気する男子受検生が多くなれば予想レンジの下方に近づき、男女合同定員化でチャンスを見出した女子受検生が多くなれば予想レンジの上方に近くなるであろう。
説明会には参加せず出願してくる受検生もいる。多くは難関私立中高一貫校の併願勢である。私立中向けの対策で日程が埋まっているので都立中の説明会に参加しないのである。
これは女子だけでなく男子も相当数程度の人数がいそうである。これを考慮すると、上限が上振れした予想も成り立つ。
2025年度応募倍率(仮)予想:3.5〜4.4倍(かく乱要素込み)
男女合同定員化で劣勢となる男子が、残り数か月で女子との差を詰める秘策はある。
指導ノウハウにかかわるので、ここではご紹介しない。
お通いの塾に相談されてみるとよいだろう。
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