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三田学院

[2024年11月14日]

【都立中】激動の時代が到来しそう

失われた20年とか、失われた30年とかが、もう過去の話しになりつつある。

デフレ時代が終焉を迎えたのに、その先にあったのは、明るい未来ではなかった。

二極化の時代などと言われるが、これも単純なものではないことが分かってきた。

大学受験が大きな転換期を迎えているが、高校受験も中学受験も、それぞれにそれぞれの要因で大転換期を迎えている。

大学受験では、かつては不動であった大学群が崩れ始めている。特に崩れ方が顕著なのが、首都圏では次の2つの大学群である。

成成明学獨国武
日東駒専

大学や学部によっては難易度が崩壊しつつある。

日東駒専の東洋だけが異常に元気ではある。

MARCHやSMARTも安泰ではない。

今年度入試では一部の大学の一部の学部が穴場になりそうな気配である。今後も穴場は拡大していくかもしれない。

総じてまだ難易度は高いままだが、都心キャンパスにある学部を除くと、難易度が崩壊傾向にある。

一方で、早稲田は難易度がさらに上昇する気配を強めていて、慶應も高止まりしたままである。ただ慶應の看板学部は経済学部から法学部に完全に入れ替わった。

これらを二極化と呼ぶかどうかはみなさんにお任せしたい。

社会や世間や企業などが今後どう評価するかは計り知れないが、中学受験や高校受験において過熱感が収まらない現在の私立大学附属校人気は、所属する大学群が低い附属校から順にどこかで一気に崩壊に向かうかもしれない。近い将来には違う意味で人気となるのではないだろうか。

要因となっているのは、大学入試共通テストがかつての学力試験型から思考力試験型に大きく変わったことと、全国規模では急激に進む受験人口の減少である。

大学入試共通テストがかつての学力試験型から思考力試験型に大きく舵を切ったことで、実質的な共通テスト離れが起きている。実質的にとしたのは受験者数は劇的に減ってはいないものの、高校や塾予備校のススメでとりあえず受験はするものの、本気では対策していない層が激増していることを指している。本気で対策しないのは、本気で対策しても攻略できないからである。

早稲田や上智や青山学院や立教など人気の私立大学が、共通テスト「利用」入試を拡大させたことで、一定以上の思考力がない受験生を実質的に門前払いした。慶応は小論文が必須になるのでもともと思考力型である。

首都圏の有名私大入試が大きな変革期を迎えているのである。

単純暗記やパターン暗記や解法暗記に頼っていた受験生は、こうした難関大学を志望することが難しくなった。

同様にというかそれ以上に、共通テストが必須になる国公立大学は、誰もが目指せる大学ではなくなりつつある。共通テストが乗り切れないなら、国公立大学でも近年増え始めている総合型選抜や推薦型選抜で挑戦するしかないが、これも違う形で激戦化してきていて、一般選抜以上に狭き門となりつつある。

受験人口の減少は全国規模では深刻さを増すばかりである。

地方ではかつての名門高校の多くが定員割れを起こしている。統廃合を進めてはいるが追いついていない。

全国の私立大学の約60%が実質全入か実質定員割れでボーダーフリー(BF)大学やFランク大学である。今後さらに増えていくと予想されている。

早稲田などは入試改革に合わせて、こっそりと少しづつ定員を縮小しつつある。今まで通りに優秀な学生を確保しづらくなっているのではないかと分析している。

かつては激戦だった地方国立大学の一角も怪しい。地元の受検生人口が激減しているからである。特に法学部や文学部を持たない地方国立大学でこの傾向が顕著である。

経済学部と教育学部(教員養成学部)と工学部しかないような国立大学である。

教育学部(教員養成学部)の人気低迷がこの傾向に拍車をかけている。

今後の見通しとして明るい兆しがあるのは、難関公立中高一貫校を経由した難関大学受験である。

難関公立中高一貫校の適性検査が、大学入試共通テストや総合型選抜や推薦型選抜と、抜群に相性が良いためである。

誤解しないでいただきたいのは、適性検査対策をすれば誰でも難関大学を目指せるという意味ではないことである。適性検査と相性が良い受験生が大学受験でも健闘するという意味である。

一方で、思考力化を強めているとは言われながらも、古い学力試験の範疇を出ていない多くの私立中高一貫校は、入学者選抜において優秀な生徒を確保することが厳しくなっていくだろうし、難関大学合格者数が伸び悩むことになりそうである。

今年になって、業界では、誰もが知るある難関私立男子中高一貫校の地盤沈下が取りざたされるようになった。これも激動の時代による影響と考えてよさそうである。



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