[2024年12月7日]
令和8年入学者から、完全中高一貫化と、共学化と、通学可化が予定されていながら、詳細というか確定情報が公表されていなかったために、やむなく「楠隼中コース」の募集を休止していたが、徐々に詳細が見えてきたので、「楠隼中コース」の募集を再開する予定である。
・女子でも入学可になる
・通学生も入学可になる
・しかし定員増員はない
単純に考えれば、合格難易度の上昇が見込まれる。
当初は敷地外を候補に女子寮の新設が検討されていたが、現時点における最新の情報では、6棟ある寮(男子寮)のさしあたり1棟を改修しセキュリティ対策を施して女子寮とすることになった(確定)。将来的にはさらにもう1棟を女子寮に改修して使用する計画とのことである(確定)。そうなれば、近い将来的には、現在の男子寮6棟体制から、男子寮4棟・女子寮2棟の体制になる。
寮の新設(増設)を行わないのだから、定員数を増加させることは現実的に難しい。現在6棟ある寮(男子寮)には個室数に余裕があったが、新たな入学者の全員が男子になるかほとんどが男子の可能性にも対応できるように実質的に余裕はなくなった。このため入学定員数の増員はできなくなった。
公立中高一貫校なので、自治体(県)の教育関連予算の都合というか制約もあったのであろう。
・女子でも入学可になる
・通学生も入学可になる
・しかし定員増員はない
男子校で女子が入学できず入寮が条件となっていたたのが、女子も入学可になり通学生も入学可になるため、出願可能な対象者人数が大幅に増加する。
実際に出願者数がどれだけ増加するかを正確に予測することは難しいが、仮に、過去の合格最低点を超えるような女子受検生が10人増え、過去の合格最低点を超えるような通学男子受検生が10人増えれば、これまで合格できていた60人のうち、最大で20人程度が不合格になる試算となる。
大学合格実績から推定すると、国公立大学合格割合が70%〜80%で、早稲田や慶應義塾などの難関私立大学の合格者も10%程度はいる一方で、年度にもよるが進学校からの進路としては不本意に感じるであろう大学へ進学する割合が年度にもよるが10%〜20%いたので、この比率に相当するか近い人数が、新たな共学化と通学可化では合格圏外へ押し出されることになると予想するのが妥当であろう。
6人〜12人
楠隼は地方立地の進学校レベル公立中高一貫校としては想定範囲内の低倍率であったが、このため合格ボーダー付近の引き締まり方が緩かったことは否めない。それが楠隼の魅力の一つでもあったが、共学化後と通学可化後は、そこは期待しずらくなる。
高難易度かつ高倍率な都立中高一貫校と比較して、毎年のボーダー総合点付近の受検生の分布が密ではなかったと思われるので、この6人から12人程度分、場合によってはさらに多い人数分、合格ボーダー総得点が上がることになり、それは大幅な難易度上昇の可能性を示唆している。
イメージとしては、
都内では東京大学教育学部附属中等、神奈川県なら平塚中等、千葉県なら市立稲毛国際、茨城県なら竜ケ崎第一、広島県なら広島叡智学園などに近い難易度(合格ボトムライン)になるのではないかと思われる。今の合格ボトムラインはこれらより少し低い(それは合格上位層がさほど優秀でないということを意味しない)。
もっと分かりやすく言えば、
都立中高一貫校の最も平易な学校と、難易度でそれほど大きな違いがない程度にまで難易度が上がる可能性がある。
それでも、適性検査問題そのものの難しさや、面接が合否判断に加味されることなどから、併願によって合格機会を増やす効果は引き続き期待できるであろう。特に女子も挑戦可能になったことは大きい。
もちろん蓋を開けてみなければ、難易度がどう変化する(した)のかは、わからない。
「楠隼中コース」の募集再開に伴い、当面は旧入塾基準を維持するが、新たな募集要項の内容がさらに確定に近くなった段階で、入塾基準の引き上げを検討しなければならないだろう。
早ければ夏に開催されるであろう学校説明会のタイミングで、遅くても募集要項の公開のタイミングとなる見込みである。
「楠隼中コース」を募集再開しても、募集期限の関係で今年度の小5はもう募集対象から外れているので、そこには救済措置を講じたいとは考えている。
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