パソコン版を見る

三田学院

[2024年12月17日]

【大学受験】今年は血だらけになる

まもなく始まる大学入試(一般入試)は、特殊要因からかなり厳しい入試になる。昨年ならギリギリ合格できた受験生は軒並み不合格を覚悟しなければならない。

今年度の高校3年生人口は約110万人で、昨年度の約107万人より3万人ほど増える。増えるのは首都圏など大都市圏の一部なので、もっとも厳しくなるのはMARCHレベルの私立大学となりそうだ。

加えて、4年ローリング方式になった私立大学の定員厳格化だが、多くの難関大学が水増し可能な人数枠を昨年度までに使い果たしているため、今年度高3はここ数年で厳しい戦いとなる。

この2つの要因から、今年度高3が闘う大学入試は血だらけになると予想する。

受験生は、昨年や一昨年の先輩受験生以上に、滑り止め大学の選定を真剣に検討した方がよい。今春の難易度を参考にすると痛い目に合う。少なくとも2023年度以前の厳しさで選ぶ必要がある。定員厳格化でMARCH以上で不合格者が急増した年を想定しておくべきだ。

滑り止め大学とは、風邪をこじらせたりするなど極度の体調不良でも確実に合格が取れる大学のことである。行きたいとか行きたくないとか、そういう主観的な基準で選ぶ大学のことではない。

突如として増加する受験生数だが、また2024年度並みに減少するのは2030年を待たなければならない。1年の浪人を覚悟すれば乗り切れる波ではない。

繰り返すが、難関大学や有名大学の一般入試は、2030年までは激戦が続く。気をつけた方がよい。

この受験生人口の推移は当然に大学側も承知しているので、2030年以降を見据えて、一般型の定員枠を総合型などに振り向ける動きを始めている。つまり2030年以降も難関大学の一般入試は厳しさが緩和しないとみるべきだろう。

一方で、総合型は緩和傾向にあるのかというとそうでもない。緩和傾向にあるのはMARCH未満の大学にほぼ限られる。むしろMARCH以上は総合型の激戦化が進行してきている。

これがMARCH以上の附属校入試が、人口減少下においても、中学受験でも高校受験でも緩和しない原因となっている。

一般入試も総合型入試も激戦なら附属校からの推薦で進学を勝ち取ろうとしているのである。

一方で、一部を除く公立大学が穴場になりつつある。人口減少が著しい自治体が運営母体となっている公立大学と、経営難から公立化したかつての私立大学である。将来に消滅するリスクはあるが、在籍中は授業料等が安いので、お得感があるだろう。

大学入試が二極化していると評されるが、具体的にはどういうことかというと、高校まで進学校に在籍した大学受験生と、そうではない大学受験生で、大学受験そのものの戦い方が違ってきたということである。非進学校の受験生が進学校の受験生とおなじ土俵で戦っても勝ち目がなくなったといえば分かりやすいだろうか。

前者は激戦に臨み、後者は実質全入か定員割れの大学に進む傾向が鮮明である。後者がMARCH以上に進む道は、指定校推薦枠を在籍高校内で勝ち抜くか、誰にもまねできない能力を使って総合型を勝ち抜くしかほぼない。後者でありながら一般枠で合格を勝ち取れる受験生はごく稀になった。

後者が激戦に臨んでも勝ち目はなくなってきている。これは一般枠の定員がどんどん絞られている影響が大きい。

難関大学側は実証研究を重ねながら最適な選抜方式で優秀な学生を集めるノウハウを確立しつつある。凡庸な受験生がそれを覆すことは難しい。

受験生はそのことに早く気がつくべきだ。

頑張ればなんとかなるというものでもない。

頑張るなら中学入試か高校入試から始めるしかない。

高校生になった時には、あなたの進む道はほぼ決まっているのである。

そこをひっくり返したいのなら誰もが知っているような方法とは違う挑戦が必要になる。それは誰にでも成し遂げられるものではない。


*進学校か非進学校かの判断基準はここでは明示しない。つまらない炎上を避けるためである。普通科か普通科ではないことだけお伝えしておくことにする。


*クリックで応援をお願いします。

PVアクセスランキング にほんブログ村

にほんブログ村 受験ブログ 公立中高一貫校受験へ
にほんブログ村