[2025年2月15日]
難関大学の推薦入試やAO入試が激戦化している。
一昔前はAO入試合格者は学力が芳しくないと語られることがしばしばあったが、こと難関大学に関しては必ずしもそうとは言えない実態がある。
もちろん、大学や学部や入試方式にもよるが、難関大学においては総じて激戦であると認識しておいた方がよい。
推薦とAOでは少し事情が違うし、推薦でも指定校推薦か公募推薦か自己推薦でも事情は変わってくるが、それぞれに激戦となっている。
難関私立大学の文系学部を例にとると、早稲田や慶應義塾では、英語外部資格試験で英検1級レベルがないとほぼ受からない。英検1級レベルでもかなりが不合格になる。MARCHの上位大学や上位学部では英検準1級でも合格できるかが怪しく英検1級がないと安心できない。
加えて多くの難関大学がSATという米国大学における共通テストに相当する試験のスコアを要求することが多くなっている。これは英語は話せるが学力が不足する受験生をふるいにかけていると考えてよさそうである。
つまり、ハイレベルな英語力とハイレベルな学力が求められる入試になっているのである。
なじみのある英検で説明をしたが、実際には英検よりもTOEFLやIELTSやGTECやTEAPのスコアが求められる。これらで高得点(高スコア)を取れないと合格できない。お勧めはTOEFLとIELTSである。上智大学の場合はTEAPになる。
これらの英語資格試験で英検1級の中央スコアが基準となる。
TOEFLなら95〜120で、できれば105以上
IELTSなら7.0〜8.0で、できれば7.5以上
これが難関私立大学の推薦やAOの合格の目安となる。
これにSATで米国難関大学の出願資格となるようなスコアが必要になる。
日本国内の大学がSATスコアを要求するようになったのは、英語はできるが学力が低い受験生が合格してしまうことを回避するためだと考えられる。
帰国子女泣かせになったと言えるかもしれない。
そもそも純粋なドメスティック泣かせではある。
*純粋なドメスティックとは帰国子女でも海外留学経験者でもない大学受験生のこと。
英語だけが流暢でも学力が伴っていなければ、大学入学後の学習や研究活動に支障があるだけでなく、卒業できたとしても実社会では活躍できないことが分かっているからである。
厳しい言い方をする人の言葉を借りれば、大学も企業や実業界も「日本人としては英語は流暢だが学力がないような帰国子女などはいらない」ということのようだ。
英語圏などへの滞在年数が長ければ、学力関係なく純ドメスティックな高学力受験生よりも英語が流暢になるが、ただ英語が流暢なだけの受験生はもういらないのである。
英語がネイティブのように話せて、かつ、学力が相当に高い受験生こそ難関大学や有名大学は欲しいのである。そうした学生こそ大学在学中に大学を活性化させてくれて、大学卒業後には社会で活躍して大学の評価を高めてくれるからである。
英語は話せるけど学力がないような受験生を入学させて、その後に社会に送り出せば、大学の評判を下げてしまう。それがはっきりわかったので、もうやめたのである。
難関大学をめぐっては、多様化する大学入試が、それぞれに激戦化していることを知っておいた方がよい。難関大学の年内入試で合格をもらうことは楽ではないことも知っておくべきである。
受験生は、どの入試方式でこそ己の力を発揮できるのか、早い段階から探っておくことが成功への道である。
都立中の多くはIELTS推しが多いように認識しているが、IELTSとTOEFLならどちらでもいいので、まずどちらかのスコアを伸ばし、その後にもう一方も伸ばすつもりで取り組むのがよいだろう。上智志望ならもう一つはTEAPでもよい。
一般入試における英語試験は、依然として4技能ではなく2技能入試だが、IELTSとTOEFLなどの4技能は、一般入試の2技能を包括するので、攻略には相当な努力が必要ではあるが、挑戦する価値はある。4技能との相性がよくない場合に撤退して2技能で勝負することになっても受験対策に支障がないように、中高6年間の早い時期に挑戦を開始しておくとよい。ただし高2の冬までに4技能で勝負できる見通しが立たないようなら深追いは禁物である。
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