[2025年3月17日]
大学合格実績の人数を国公立大学と私立大学でおなじように読んではいけないことはご存じだろうか。
一般入試を中心に説明する。
国公立大学は、前期・中期・後期と3回の日程があるが、1大学しか合格できない。前期日程で合格し入学手続きをすると、中期や後期を出願していても合格はできないので、基本的に大学合格実績の合格者数をそのまま読んで差し支えない。
しかし、私立大学は各大学が独自の日程を組んで2月の初めから2月の下旬、正確には国公立大学の二次前期日程の直前まで入試が行われる。
早稲田を例にすれば、学部ごとに日程が違うことがほとんどなので、早稲田だけで政治経済、法、商、社会科学、国際教養、文、文構、教育、理工、人間、スポーツと10回受験できる。これに共通テスト利用を組み合わせるとさらに多くの回数が受験できる。
おなじことは慶應でも起きる。法、文、経済、商、理工、総合政策、環境情報、薬、看護、医と最大10回受験できる。
もちろん文系と理系で入試科目が違うので、早稲田なら理工を除くと9回、慶應なら理工と薬と看護と医を除くと6回受験できる。
全受験回で合格できるとは限らないが、早慶レベルの受験生の場合、一人の受験生が平均すると3つくらいの学部に合格することが多い。
これがMARCHになるとさらに激しくなる。一人の受験生が平均5つくらいの大学や学部に合格する。
よって、早稲田合格者数90人とあれば、実際に合格した人は30人くらいだと考えれば実態に近い。
さらに、早慶になると国公立大学を併願している受験生が多いから、国公立大学に合格するとそちらに入学する人がほとんどになる。
早稲田合格者数90人は実は30人程度が稼いでいて、さらに国公立大学に相当数が抜けるので、実際に早稲田に入学するのはさらに少なくなって、10人とかになる。
私立の自称進学校などには、早稲田や慶應に合格できそうな受験生にMARCHを大量に受験させて合格実績を水増しする学校も多い。
卒業生が500人なのにGMARCHに800人近く合格していたりする。これは800人なのではなくて800学部なのである。
実際に合格した人は500人中の150人くらいだったりする。
進学校であれば、
早稲田慶應:2か3で除する
MARCH:4か5で除する
これくらいで実際の合格人数の実態に近くなる。
そこから国公立大学の合格者数を減じると、早慶やMARCHの入学者数に近くなる。
卒業生が200人なのに、早慶に90人合格、MARCHに250人合格と発表されたら、このように除算と減算すれば実態が分かる。
けっして定員200人の学校なのに早慶MARCH合計で340人合格なら最低でもMARCHに合格できると思わない方が賢明である。
90÷3−20=10
250÷5−10=40
10+40=50
20+10+10+40=80
学内上位25%から40%以内にいないと早慶MARCHや国公立には合格できないと見抜いた方がよい。
冷静に合格実績の数字を見ることができるになっておくことが大切なのである。
にほんブログ村