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三田学院

[2025年3月23日]

【都立中】異次元難化の影響

数年前に都立中の異次元難化について書いた。

しゅともしの偏差値表で、小石川が偏差値70代に簡易度が上昇したのは今から5年ほど前のことである。

なぜこの年以降に都立中が急激に難易度が上がったかの分析は難しい。小石川の東大合格者数が2桁を維持していることがメディアなどに取り上げられることが多くなり、幅広く世間に認知されるようになったことが大きかったのではないだろうか。

加えて、都立高校進学校が復権を果たしたことも大きかったであろう。こちらのメディア露出度も同じような時期に大幅に増えている。

名門私立中高一貫校に進まなくても、都立中高一貫校や都立高校進学校から、難関国立大や早稲田大や慶應大などに進学することができるという認識が形成されたのが、この時期であったと考えられる。

この年以降、難関国立大学を目指す人たちの進学先として、都立中高一貫校が本格的に候補に上がることになる。私立御三家中などとの併願も増える。入学者アンケートの併願校に難関私立中学の名前があがるようになって都立中の広報担当者などが驚きを隠せなくなった時期と符合する。

これらの年以降に入学した都立中生が、来年度から徐々にではあるが本格的に大学受験を迎えることになる。

来年度からいきなり難関大学合格者数が劇的に増加するかどうかは予測が難しいが、ながらく横ばいだった感のある難関大学進学実績が、本格的に上方に動き出す可能性はある。

それが新たな入学希望者を誘うことになろう。

一方で、公立中高一貫校が創設された頃にあった、誰もが気楽に挑戦できるような雰囲気を醸し出していた「公立の6年制学校」としての人気は、すでに沈静化してはいるものの、ここで最終的に潰えることになりそうである。

今後都立中は、出願倍率は3倍前後まで低下し、超優秀な受検生だけで競い合う、正真正銘の名門進学校としての立ち位置を固めることになるであろう。

全国にあまたある公立中高一貫校は、他の学校や大学などとおなじように、少子化の影響をこれから強く受けるようになるので、正真正銘の進学校として生き残るのか、地域密着の6年制公立学校として生き残るのか、あるいは特別な目的をもって存続をする学校となるのか、いずれかの選択を迫られることになるだろう。

いずれにせよ、都立中は新たな発展のステージへと進むことになりそうである。


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