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三田学院

[2025年4月1日]

【都立中】教育格差を克服する

世帯年収が1,500万円を超える世帯は全体の約3%ほどしかいない。

世間一般では世帯年収が1,000万円を超えると生活に余裕が生まれると考えられがちだが、昨今の物価高を考慮すると必ずしもそうではないようである。

家計に大きな負担となっているのが教育費であるが、教育費は学校教育費と学校外教育費に大別できる。

高校授業料無償化で私立高校に通う場合の学校教育費は大きく削減が可能になるが、公立高校に通う場合のように完全には無料にはならない。教育充実費や教育設備費は無償化の対象にならないからである。

自治体によっては公立学校で使用する生徒配布のタブレットPCが無償配布になることがあるが、私立では原則として有料である。こうした追加費用も無視できない。

ごく一部の富裕層を除けば、学校教育費の負担を軽減しようと考えた場合は、中学も高校も公立学校に進学させることが圧倒的に有利になる。

学校外教育費の最たるものは説明するまでもなく塾予備校費用である。

大学受験を控えた高校生が支払う塾予備校費用は、公立高校に通うか私立高校に通うかで大差はない。むしろ私立高校に通う高校生の方が若干多く支払っている。

高校受験を控えた中学生が支払う塾費用は、公立高校か私立高校で分けて統計することは難しく、超難関高校を目指す場合を除き基本的に同じだと考えてよい。

よって教育費を節約するためには、授業料無償化を考慮しても、中学も高校も公立学校に通わせることが圧倒的に有利となる。

地元公立中学への不安や、中高一貫校進学校の大学受験における有利性まで考慮すると、最適解は公立中高一貫校進学校へ進学させることが最も有利となる。

教育費負担には若干の余裕があると考えている家庭であっても、学校教育費だけでなく学校外教育費のことまで十分に検証してみることをお勧めする。

難関大学や有名大学への進学を想定しているのであれば、適切に塾予備校費用を負担した方が、目標実現可能性を引き上げられるので、無償化の対象外である塾予備校費用の負担を、事前に教育費支出予算に盛り込んでおくとよいだろう。

私立高校などの「塾予備校なしに難関大学に合格させます」という謳い文句には十分に注意された方がよい。そうした学校に通う生徒でも塾予備校にこっそり通っていることは多い。

そうした学校には自称進学校が多いことにも注意した方がよいかもしれない。不必要に宿題や課題を多く出して縛ることが多く、生徒に適した受験対策の障害になりかねない。

また、そうした学校によく見られるのは進路指導の硬直性である。学校の合格実績を高く見せるために入学を希望しない大学を受験するように半ば強要されることがあるようだ。

所得制限がないか大幅に緩和された高校授業料無償化が実施されても、総教育費を適切に抑えるならば、中学高校の6年間は公立学校へ通わせた方が圧倒的に安い。

その上で、難関大学や有名大学への進学を希望するなら、適切に塾費用を捻出しながら、公立中高一貫校進学校か公立高校進学校への合格を目指すのがよい。そして浮いたお金を予備校費用や大学授業料に充当できる。

公立中高一貫校への合格を目指して塾に通う場合に注意すべきことがある。それは合格率がどれくらいかである。

合格率が50%を下回るようでは、不合格になる可能性の方が高いことになる。合格を目指して塾に通いながら不合格になる可能性の方が高いなら、投入した塾費用の半分は効果がなかったことを意味する。合格可能性に関係なく不合格になれば塾費用は費用ではなく損失になる。

よって、合格を目指して塾に通うのであれば、少なくとも期待できる合格率は50%以上であるべきだし、塾費用を確実に回収したいなら合格率は100%であることが望ましいことになる。

つまり、合格率が50%を下回る程度しか期待できないなら、その塾には通わないほうがよい。

子育てや受験の最終目標の一つは志望大学合格であろうから、適切な大学受験対策ができるように教育資金支出計画を入念に練り、かけなくても済む学校教育費はかけないのが懸命であろう。



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