[2025年4月18日]
塾生情報が興味深い。
来春に私立女子御三家を受験予定のクラスメートが、併願で九段中等を受検するらしい。
その話しを聞いた塾生は、どの学校を受験するのかや、どの塾に通っているかについては、親から堅く口止めをされていて、何も話していないらしいが、その私立御三家中が第一志望の子から、そうこそりと告げられたとのことだった。
以前なら、私立御三家を目指す受験生は2月3日には国立大学附属中学校を併願することが多かった。都立中を併願するとしても小石川などの都立中トップ校を併願することが多かった。しかしこの情報からすると、ここにきて都立中入試は新しい局面に入ったのかもしれない。
私立御三家に合格できても都立中に合格できないことは以前からあった。
麻布に合格して、小石川に落ちる
桜修館に合格して、駒場東邦に落ちる
そうした情報が、難関私立中受験生親子に広く行き渡ったのではいないだろうか。
私立中と都立中では入試問題が根本的に異なる。ともに万全を期すことは時間的にも労力的にも厳しい。併願戦略が組みやすい私立中を軸に据えるなら、都立中は偏差値的に余裕をもって併願しようとするとする戦略は、とてもよく練られた理にかなったものかもしれない。
今春の入試から男女合同定員に移行した都立中だが、1年早く男女合同定員に移行した九段は、男子だけならまだしも、女子までもが合格基準偏差値を上げることとなった。
この背景には、こうした難関私立中受験生の動向も影響したと考えるのが妥当かもしれない。
九段や都立10校に続いて、来春は楠隼が共学化に踏み切る。
共学化に踏み切っても入学者定員は変更されないと公表されている。
楠隼のある鹿児島は、首都圏のように私立中学が乱立する環境にはないが、ラ・サールなど名門中高一貫校があることから、地方でありながらも中学受験についての認識はけっして低い方ではない。
卒業生の80%前後が国公立大学に進学する、正真正銘の公立一貫進学校である楠隼が、新たに女子受検生を惹きつけることになるかもしれない。
私立中へは進学しない(させない)公立中高一貫校実質専願の受検生が難関私立中受験生に勝つ道はある。
適性検査対策にしっかりと時間をかけて磨きをかけることである。
私立中対策では網羅されない適性検査問題は多い。
私立中独特の問題の多くが適性検査では出題されない。
適性作文問題も作文演習に時間をさける公立中高一貫校専願受検生が圧倒的に有利である。
ただし適切な適性作文作成指導と添削指導を受けた場合に限る。そうでなければ私立中受験生に差はつけられない。
そもそも、公立中高一貫校を目指す受検生は報告書点も良好であることが多い。私立中受験生はその過酷な私立対策のために学校授業がおろそかになり学力はありながら報告書点を取りこぼすことが多い。
いずれにせよ、公立中高一貫校進学校の状況は、新しい局面へ進んだと考えてよさそうである。
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