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三田学院

[2015年5月27日]

【雑学・数学】カジノ

オーストラリアのメルボルンに住む友人を訪問したときのお話です。日本にはカジノはないからと、社会経験のために連れて行ってくれました。

カジノを見渡して興味が沸いたのは「ルーレット」です。カードゲームやスロットルより、数学的(確率論的)な匂いがしたからです。

複数あるルーレット台のうち、赤と黒の出目(でめ)に偏りがある台がありました。

赤と黒、それぞれが出る確率は、それぞれ2分の1(50%)。「大数の法則」によれば、試行回数を増やせば、実際の出目は「理論推定量(期待値)」に「収束」します。

ならば、(赤か黒の)出目が期待値より低くなっている方に賭ければ、もしかしたら勝てるのではないか、と思ったのです。

ディーラーが意図したところに玉を落とさないよう、ルーレットを回転させ玉を投じた後に、「ノー・モア・ベット」と言われる直前に、同一枚数づつコインを賭けていきます。

結果はどうなったかお分かりですね。約1時間の奮闘の後、軍資金が少なかったこともあり、手持ちコインは全てなくなってしまいました。

そうです。1回1回の試行による赤か黒が出る確率は「独立」しているため、何回賭けても、毎回の勝率は2分の1。途中に不利な出目が続くこともあるので勝てないのです(軍資金が無限であれば負けないかもしれませんが、勝てないのです)。「大数の法則」や「中心極限定理」を、高い学費を払って勉強できました。

良い子は賭け事をしてはいけません。それより数学の勉強をしましょう。