[2015年6月12日]
×:うちの子は「オール3」なので『普通の子、平均的な子』なんです。⇒誤解と油断があります。
○:「オール3」なので、学力下位層なんです。
○:「4」と「3」が、ほぼ半々なので、ちょうど真ん中くらいの成績です。
『絶対評価』の現在において、「オール3」は「平均」ではありません。「偏差値」に換算すると、だいたい39〜45の範囲に入ります。偏差値は平均を「50」として計算します。この偏差値水準(39〜45)は親世代で一般的であった『相対評価』の「2」の範囲に大きく重なります。
「オール3」は「換算内申(51点満点)」ですと「30(30.6)」(平成27年度入試)になります。換算内申の合格ラインが30の都立高校の偏差値を見ていくと、42(男子)、42(男子)、44(男子)、45(男子)、46(男子)、39(女子)、39(女子)、40(女子)などとなります。
『相対評価』時代の5段階「評定」と「偏差値」の関係は、偏差値〜35が「1」(7%)、35〜45が「2」(24%)、45〜55が「3」(38%)、55〜65が「4」(24%)、65〜が「5」(7%)でしたが、『絶対評価』の今は、この分布が大きく崩れ、「1」、「2」の比率が大きく減少し、「3」、「4」、「5」が大きく増えています。
もうお分かりですね。『相対評価』なら「2」の生徒の多くに、『絶対評価』の今は「3」がつき、同じく「3」に「4」、「4」に「5」がついている生徒が増えています。これを『内申バブル』と呼ぶ人もいます。
○:「3」と「4」を行ったりきたりしている子が、ほぼ成績真ん中の子。
○:「3」で固定している子は、親世代の「2」〜「2.5」くらいの学力です。
甘い『絶対評価』に惑わされず、定期的に模擬試験を受けるなどして、正確な自己認識をもちましょう。
特に、すべて「3」以上で「3」が複数ついている子が要注意です。中3の『三者面談』で、大きく志望校のランクを下げるよう言われるケースが多いです。リストアップされた高校を見学に行ってがっかりしてしまう子も少なくありません。
「2」が一つでもある子は、まず『推薦』を受けることが難しくなります。一般試験で頑張る必要があるので、早めに受験対策を開始されることをお勧めします。特に、「英語」と「数学」の建て直しには時間がかかります。1日でも早く取りかかりましょう。
「2」以下が多いと、担任から「行ける高校はない!」と言われかねません。今すぐ状況打開に向けて行動を開始しましょう。
一方、すべて「4」以上の子は、自己認識できている子が多いようです。積極的に模擬試験に参加して、自己分析をしている人が多いからだと思います。
でも油断は禁物、本格的な受験準備が遅れると、「内申」は悪くないのに、模擬試験の「合格判定」が芳しくないという状況に陥りかねません。直前になって志望校を下げるかどうか悩むことになります。
夏期講習中までに中3終了までの全範囲(受験教科)を学習できていると強いです。過去問演習(志望校対策)を夏休み明けに開始できます。過去問演習は、遅くとも10月末には始めないと時間が足らなくなります。都立重点校や私立校は独自の対策が必要です。併願私立校や単願私立校は、どこを受けるか早めにめどをつけましょう。
高校受験は中1から始まっていると認識してください。中1や中2の夏休みをのんびり過ごすと、後で後悔すること必至です。模擬試験や夏期講習に参加して、ライバルに遅れないようにしましょう。