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三田学院

[2015年12月17日]

適性検査問題を学んでも「学力」つかない

高い人気が続く都内の公立中高一貫受検。

「適性検査」という、親世代が受験生だった頃には馴染みのなかった入試問題が、多くのウワサ(都市伝説)を生んでいます。

×:公立中高一貫に合格するためには、適性検査問題をひたすらやりこむ必要がある
×:学力が高くない子でも適性検査問題をやりこめば、公立中高一貫に合格する
×:適性検査問題を勉強すれば学力がつく

毎年公立中高一貫への高い合格実績で有名な、都心にある学習塾の看板講師が、保護者向け説明会で口を滑らせてしまったことがあります。日頃から保護者や受検生の誤解に業を煮やしていたためです。

?公立中高一貫に合格するためには、まず算数や国語といった基本教科の確かな学力が必要です。これなくして合格はありえません。

?適性検査型問題ばかり勉強してきた子は、仮に合格できても(さんざんやれば合格する子もいなくはない)、入学後に成績が伸びず苦労する(授業について行けず、大学入試で惨敗する)人が多い。合格するにも、合格した後も、「真の学力が大切」。

また、公立中高一貫校の母体校の卒業生でもあり、公立中高一貫の受検指導に当っている、ある塾の代表講師は言い切ります。

?算数の学力がない子はまず合格しない。
?合格させるため、算数に費やす比率は50%を超え、次に国語、次に理科・社会、最後に適性検査問題。
?基本教科がしっかりできていれば、適性検査問題は小6の春(6月頃)からで十分間に合う。
?算数は小4レベルからしっかり理解できていないと合格しない。
?小6までの算数を小5までに終わらせられる子は合格率が高い。
?算数の応用・発展問題(私立難関レベル)に強い子の合格率が高い。
?漢字を含む国語の知識は必須なので完璧に仕上げておく必要がある。
?算数・国語・理科・社会といった基本教科に時間がかかってしまったら、適性検査問題は志望校の過去問と模擬試験で十分。適性検査問題を小4・小5から学ぶ(演習する)必要はない。
?基本教科を小4の時からしっかり取り組む(小6に小4から復習するという意味ではない)。

最後に、都内のある公立中高一貫校の入試担当副校長の言葉を載せておきます。学校名は公表しないという約束ですので、推測してください。

◎『合格するためにどんな受検対策をすれば良いか』と聞かれれたら、ズバリ『私立中学受験(4教科型)の勉強をしてください』と答えています、とのこと。

合格するために必要なことは何か、おわかりいただけたでしょうか。

要点1:適性検査は学力試験と心得よ。
要点2:準備は小4から始めよ。特に算数。国語・理科・社会も。
要点3:小4・小5は基本4教科(私立型)の準備をせよ。
要点4:小6から適性検査型問題にも取り組め。早すぎても良くない。
要点5:算数の学力を合格ラインに引き上げることを最優先せよ。次が国語。
要点6:作文より、国語・理科・社会を優先せよ。
要点7:合格者の90%が塾に通っている実態から目を逸らすな。
要点8:ライバルは私立中受験生だと知れ。