[2016年3月9日]
×:「国語(読解)の正解は1つとは限らない。」
完全否定はしませんが正しくありません。
また、このような発言をする人(保護者)の前では、(理解させるのは容易ではないため)話の腰を折らないように、曖昧に相槌を打つこともあります。でも、本心ではありませんので、誤解しないでください。
『入試国語』(受験国語)に関して言えば明らかな誤りです。正解が複数あるような答案は採点ができませんので、出題されるはずがないのです。
どうして迷信のようなことを言う人が少なくないのでしょう。
ちなみに、数学では正解は1つです。2つの答え(数値など)がある場合は、2つの答えを導き出せて正解になりますので、正解は1つと言えます。また、「解なし」も、正解がないのではなく、「解なし」がただ1つの正解です。
国語でも正解は1つですが、心情を問うような問題で、「文中の言葉を使って」とか、「○○字で」といった制約がない場合などに、表現に若干の幅があることがあります。「寂しさを感じた」、「孤独を感じた」、などは同じ心情を表していますので、ともに正解となります。これを正解が1つではないと勘違いしているのかもしれません。
あるいは、学校の授業などでは、あまりにも的外れな解答をしないかぎり「間違っていますよ」とは言ってくれないので、「他の意見はありますか」と正解の発言が出るまで別の児童や生徒を順にあてていくような場合に、先に発言した児童・生徒が、自分の答えは『不正解』だったと気がつかないままになっているのかもしれません。
さらには、作文と国語を混同しているのかもしれません。400字や600字などの論述で、満点となる正答例の全てが、一字一句おなじになることはありえません。
この誤解の原因として思い浮かぶのは、「国語の試験で正答できなかった原因を適切に検証(復習)してこなかった」、つまり「適切な受験国語の学習指導を受けてこなかった」のではないか、ということです。
注)入試や模擬試験など、100点満点中の平均点が50点程度になるような試験を指しています。満点が当たり前のような、プリントや小テストのことではありません。