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三田学院

[2016年3月10日]

読解力の基礎は言葉の知識

「『読解力』を何とかしてください。」と頼まれることが多い。

ただ本を読んだり、国語の読解問題を闇雲(やみくも)に解いても『読解力』はつきません。

漫画本は論外です。ストーリーは入ってくるかもしれませんが、『読解力』はもちろん、総合的な『国語力』もつきません。テレビ漫画を見ているのと大差ありません。

なぜ、『読解力』が弱いのか診ていくと、ある共通点が浮かび上がってきます。

?漢字・語句が弱い
?文法が弱い
?国語の原則・国語の知識が弱い

『読解力』不足を嘆く前に、取り組むことがあることに気づいていない人が少なくないのです。

これらをスキップして『読解力』にだけ挑戦しても、伸びないとは言いませんが、効果が出にくいのです。

ご説明をすると理解して頂ける方が多いのですが、「漢字の学習は自宅で(あとで)しますから必要ありません。まず先に『読解力』を」などと、返されることがしばしばあります。

?漢字はもちろん、熟語(二字熟語・四字熟語・三字熟語)、ことわざ、故事成語、慣用句、類義語・対義語、同音異義語などが該当します。語彙(ごい)とも言われます。

?文節(主語・修飾語・述語)、品詞、活用形、文の種類(単文・複文)・文の形(倒置・省略)などが該当します。

?言葉の使い方(かなづかい、てにをは)、敬語、日本語の知識(助数詞、季節を表す言葉、原稿用紙の使い方など)、詩・短歌・俳句、文学史などが該当します。

まず、低学年までは?を、中学年では?と?をしっかり学習することが大切です。

・「問題」を正確に読めないために、何を答えてよいのかわからない。
・「問題文」を正確に読めないために、答えを探し出せない。

といったことは、まず??がしっかりできていないことにより起こるのです。

これは「国語」だけに限りません。「算数」の文章問題(「特殊算」のことではありません)が解けないことにもつながっていきます。「社会」や「理科」の学習能力や得点力にも影響します。社会科用語や理科用語は、正しい漢字を含む文字で覚え、そして正確に書けないと正解になりません。「国語」が全ての教科の基本だと言われる理由です。今後小学校でも必須化する「英語」も、母国語ではなく外国語として学ぶ場合、「国語力」が乏しいと、英単語・熟語、構文、文法ともに身につきません。

??に加え、高学年では?もしっかり学習してください。中学受験では必須です。難関校に限らず頻出分野となっています。

これらは『読解力』と違い、身につけた分だけ得点力がUPしますのでお勧めです。また、知らず知らずに『読解力』もついてきます。

入試作文や論述でも力を発揮します。漢字・語句、文法、言葉のきまりを身につけている受験生の書く文章と、そうでない受験生の文章では、構成力や表現力が全然違います。これも得点力の差につながります。

???は、高校受験を目指す方も、「定期テスト」や「高校入試」で出題されますので、遅かれ早かれ身につける必要があります。小学校の頃からこれらの学習を怠っていると、忙しい中学生活で挽回するのが難しくなります。

「急がば回れ」ではありませんが、『読解力』を高めたいなら、まずは???をしっかり身につけてください。

???をしっかり学んだ後でも、まだ『読解力』不足だと言うのなら、あるいは『読解力』の高みを目指すのであれば、ご相談ください。次の学習法?「読解問題の解法」をご指導します。