[2016年4月11日]
ロンドン地下鉄のおなじみのアナウンス“Mind the Gap”(マインド・ザ・ギャップ)
日本の地下鉄なら「電車とホームの間、隙間が開いているところがございますので、ご注意ください」といったところでしょうか。
この春から中学へ進学されたみなさん、「中1ギャップ」という言葉をご存知ですか?
小学校の続きのような感覚で中学へ通うと、その違い(Gap)の大きさに翻弄され、学校嫌いになったり、学校へ行くのがつらくなったりするようなことを指します。
ほとんどの小学校では成績は3段階評価されます。また、普段のテストも簡単なものが多いので、ほとんどの児童にとって100点満点中80点や90点を取るのは、それほど難しくありません。成績順位もつけられないので、自分やクラスメートの成績もはっきりせず、児童本人が学校の成績に悩み苦しむことはさほどありません。
ところが、中学にはいると「定期考査(定期テスト)」が年5回程度実施されます。平均点や得点分布(度数分布)が公表されますので、望まなくても自分の成績の位置が分かってしまいます。担任に問い合わせれば、ほとんどの学校で「学年順位」も教えてもらえます。
友人や知人の間で得点を聞き合ったりしますので、クラスメートにも成績が知れ渡ってしまいます。
「中1・1学期・中間テスト」は特に注意が必要です。初めて会うクラスメートも多いため、中1の最初の定期テストの成績は、クラスメートを評価する格好の材料の1つになります。また、教師陣に与える印象も強くなります。
クラスメートの評価は、だいたい3〜5ランクに分けられます。
よく勉強のできる子(学年トップ10傑、生徒数やクラス数にもよる)
まあまあ勉強のできる子
普通の子
ちょっと勉強が苦手な子
かなり勉強が苦手な子(学年ボトム10傑、生徒数やクラス数にもよる)
このランク分け(印象)は、これから3年間クラスメートの記憶に残ります。特に、ボトム10傑は目立ちますしウワサにもなります。
勉強のできる子はさほど心配はありませんが、苦手な子からはクラスメートの視線が気になる子が少なからず出てきます。勉強が苦手なことが(友人・知人・保護者・地域の人などに)知られないように、いつも気になってしまいます。
楽しく中学生活を送る妨げになりかねません。
ほとんどの学校で、「中1・1学期・中間テスト」は出題範囲も狭く、まだ本格的な中学校の難易度になっていないため、しっかり準備すれば高得点が狙えます。
新しい通学路、新しい制服、新しく始まった部活動に振り回されていると、アッという間に「中1・1学期・中間テスト」になってしまいます。
しっかり準備できたか、できなかったかで、その後の中学生活3年間に大きな影響が出てしまうのです。
“Mind the Gap”(マインド・ザ・ギャップ)なのです。