[2010年6月10日]
Z会が作成した、今までにありそうでなかった参考書。
中学受験生に、理科を教えていて、問題の中に出てきた植物や動物の画像を生徒に見せることがよくある。
特に都会に住んでいる生徒は、あまり実際の生物にふれあう機会がないので、イメージをしっかり持ってもらうためにも、「これだよ」と実際の写真を示すことが、必要だ。しかし、その時に何を使用するかが、意外と難しい。
中学受験生用の資料集・参考書はコンパクトにまとまっている分、掲載されている種類が少ないし、一般の図鑑類は掲載量は多いが、中学受験という視点からはずれている場合が多い。帯に短したすきに長しなのだ。
また、インターネットで検索したり、スクールオリジナルのビジュアル教材「イルカ」から当該部分を見せることもできるが、起動に時間がかかるため、授業のリズムが崩れてしまう。
この本は、そんな時に最適な書籍だ。
中学受験の理科の入試問題によく出題される植物毎に、重要ポイントがコンパクトに、かつしっかりとまとまっている。余裕のあるレイアウトなので、ちょっと物足りない印象を受けるが、必要十分な条件をしっかりと満たしている。写真やイラストが、一緒に載っている点も、生徒の頭にイメージに残りやすくてグッドだ。
あくまで図鑑という体裁なので、問題はほとんど載っていない。問題集や、過去問をやっているときに、植物がでてきたら、その当該部分を読んで、知識を定着させていくというのが最適な使い方だろう。
図鑑類を読むのが、好きな生徒は勉強中の息抜きに読んでもいい。楽しみながら、定着ができる。
同じシリーズの「入試に出る動物図鑑」も、同様の理由でお勧めです。
「暗記はこれだけ! 入試に出る植物図鑑」
著者:Z会指導部
出版社:Z会
ISBN:978-4-86290-057-9