[2009年8月15日]
前回に引き続き、これも社会、特に地図の種類や読み取り方が勉強できる学習漫画。
学習漫画は玉石混淆だが、この本は漫画のストーリーの中に地図の種類、メルカトル図法と正距方位図法の使い方の違い、時差や縮尺などの受験に必要な知識がまとめられていて、非常にわかりやすい。
また、学習漫画らしからず(?)、漫画としても割とおもしろいので、漫画好きの生徒なら、楽しみながら学習できるだろう。うちの塾では都立高校志望者でなかなか地図が覚えれらない生徒にも貸して、読ませている。
理科や社会などの暗記項目はいやいや暗記しても、なかなか定着しない。逆にその子が興味を持っていることに関連づけて、楽しく勉強した方が、効率も良く、生きた知識になるようだ。
この本で地図に興味を持った生徒は、同じ著者が監修している「世界早わかり地図」(PHP研究所)もおもしろい。こちらはすぐに中学受験に役立つわけではないが、将来の一般教養として世界の現状をビジュアルとして把握するのに役立つ本だ。
実は、この本の著者である清水靖夫先生には、高校生の時に地理を教えてもらったことがある。非常に気さくな先生で、興味のないものには、ともすると無味乾燥になりがちな高校地理の授業を様々なエピソードを駆使して、興味深く教えていただいた。講師として、私がモデルとする一人である(勝手にではあるが)。
清水先生がすばらしかったのは、ただ授業がおもしろいだけではなく、生徒1人1人にきちんと目配りをして、クラス全体をまとめていたことだ。多少、不良がかった生徒も先生の授業は、きちんと話を聞いていた。当時はわからなかったが、今講師という立場に立つと、先生の授業スキルが非常に優れていたことが理解できる。
この本の、漫画をおもしろがって読む内に、知識がスムーズに入ってくる内容に当時の先生の授業を思い出した。
こちら葛飾区亀有公園前派出所両さんの地図大達人
著者:清水靖夫
出版社:集英社
ISBN 978-4083140051