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みなと学院
田町校

[2011年10月1日]

中学1年生へ

中学1年生達にあてて、書いた手紙。

夏休み明けは、学校にも慣れ、また長期休暇の後で、身も心も、少しだるくなってくるときだ。

だが、こういうときほど、将来を向いて、気持ちを上げていってほしい。その気持ちを伝えるために書いた。

この間まで、子ども子どもしていた中1生だが、顔つきも大人びて、勉強のやり方も堂に入ってきた。

前向きな心を忘れずに、がんばってほしい。

ここから手紙本文-----------------------------------


時の過ぎるのは早く、あなたたちが中学に入学してから、すでに半年が過ぎようとしています。

だんだん学校にも慣れ、新しい友人もできたと思います。あんなにきつかった部活動も、体が慣れることで、前ほどは疲れなくなったでしょうか。先輩とも仲良くなって、学校生活もどんどん楽しくなる頃です。

しかし、思い返してください。まだ入学したての4月、桜の花が咲く時期。その頃、あなたたちは、小学生から中学生という環境の大きな変化の中で、様々な緊張感を味わっていたと思います。

新しい学校、新しい同級生、小学校とは全く違う部活動、そして中学生としての勉強。

目に見えるものすべてが新鮮だったと思います。

物事に慣れることは、悪いことではありません。しかし、気をつけなければいけない側面もあります。それは「慣れる」ことで「心」の構えが緩(ゆる)んでしまうことがあることです。

「緊張感」があると、「心」は自然に構えます。しかし、慣れることで、「緊張感」が緩むと、構えが緩み、それが日常の姿勢にも影響してきてしまいます。

1学期とくらべて、「姿勢」はどうでしょうか。大丈夫だとは思いますが、1回省みてみましょう。学校の授業を受ける姿勢、塾の授業を受ける姿勢、準備するものはきちんと事前に準備できているか、宿題を把握して、こなしているか、復習を行っているか、試験勉強は以前と比べて、やる量は不足していないか・・・。

1年生は、「量」の学年です。特に、数学と英語には、中学での学習の基盤となる項目が詰まっています。このような基盤の項目は、正確なやり方で、量をこなさないと身につきません。「量」の学習は、時に退屈なものです。そして、ともすれば漫然としたもの、緩んだものになりがちです。そのために、心構えがしっかりできていないと、やり切ることはできません。

ただ、ここで培った「量」は、「質」の学年である2年生、そして、高校受験生として受験問題を「質」「量」ともにこなす3年生へとつながっていきます。逆に言うとこの1年生で、しっかりとした心構えを持って、「量」をこなさないと、後の学年に行くほど、悪影響が出てしまうと言うことです。

新しい学校に慣れ、緊張感も取れてきたと思います。

もう一度言います。慣れることは悪いことではありません。ただ、慣れて、緊張感が薄れることで、「心」構えが緩んできます。

私が見ていると、あなたたち1年生は、新鮮な興味を持って、しっかり進んでくれていると思います。

ただ、あえて、この時期だから、もう1度確認してもらいたいのです。「心」構えができているかどうかを。「緊張感」がつくる「心」構えは、いつまでも続きません。いつかは解けます。だからこそ、半年経った今、自分自身で、「緊張感」からではなく、意志を持って、「心」構えを作ってほしいと思います。

がんばってください。

成績を上げること、行きたい学校に行くこと、それは大事な目的です。しかし、一番大きな目標は、あなたたちが、社会で有用とされる人材となり、幸福な人生を送ることに他なりません。それが実現するよう、心から応援しています。

学研CAIスクール港中央校
校長 我妻 宏次朗