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みなと学院
田町校

[2009年10月24日]

古文完全攻略63

東京学参の高校入試特訓シリーズの1冊。

中学校の教科書には古文は本格的には出てこない。1年で「竹取物語」、2年で「枕草子」「徒然草」「平家物語」、3年で「奥の細道」を学習するのが定番だろう。

これらもそれぞれ1〜2章を行うのみなので、中学3年間の古文読解の全体量は非常に少ない。しかし、私立高校の国語の試験には、注釈文なしの古文がほとんど出題される。そんな時に役立つのが本書である。

定番の古文を学習する「よく出る古文」、高校入試で良く出題される定番から少しはずれた古文を取り上げた「実戦問題」、これから出題が増えそうな古文を集めた「注目の古文」、文法・語彙・文学史をコンパクトにまとめた「知識編」の4章から成る。

問題が、定番から「少しはずれ」の範囲まで幅広く選択されているので、この1冊をきっちりやりきれば、かなり力がつくだろう。また高校入試古文は半分慣れのようなところもあるので、慣れるための最低限の演習にもなる。

見開きの中に原文と解釈文が両方載っているので、自身がある生徒は解釈文を隠して、原文の意味が中々とれない生徒はとりあえず解釈文を見ながら、解いてみるといいだろう。

高校入試用の古文専門の問題集は、塾用教材でもなかなかないので、私立受験者には重宝な問題集である。

高校入試用であるが、古文が苦手な高校生が使ってもいい。高校生用としては文法問題が物足りないが、古文に慣れる、文脈を捉える入門書としては十分。

「高校入試特訓シリーズ古文完全攻略63」

出版社:東京学参

ISBN:4-8080-0004-0