パソコン版を見る

早稲田育英ゼミナール
福山駅家教室

[2023年1月4日]

家で勉強を教えるって・・・20230104

教育相談や入塾問い合わせ、保護者面談で時々(度々?)耳にするセリフが
「家で私(お母様)が毎日、勉強を教えています」
「分からないって言ったら、お姉ちゃん(中・高生)に教えて貰っています」
「大丈夫。分からない所は無い!分からなかったら、直ぐに母さんが教えてくれるから・・・」
です。

最初は「家族の協力体制がキチンと出来ている羨ましい家庭だなぁ」と聞いていました。
しかし、よくよく聞いてみると、教える人が問題文を代わりに読んで、式を立て、途中の計算式も書いて見せ、答えまで出して子供に書かせ「分かった?」って聞くと、子供も「分かった!」って答えて両者が満足している場面が多く聞こえました。

もちろん、指導経験をお持ちの保護者様の家庭での指導を否定しているのではありません。

子どもは子どもで「分からない問題は無かった。全部宿題やプリントは埋めれた」と喜びますし、親は親で「私は放っとかずに、チャンと子供に向き合ってる」「子どもも『分かった』って言ってるから次は大丈夫」と喜んでいます。

子どもにとって「分からない問題は無い」とは、「宿題のプリントのすべての答えが書けた」との意味で、自力で書けたかどうかは関係無いのです。

これでは、次に同様の問題に対峙したときに、またまた出来ません。
何故なら、問題を理解する力もポイントも分からず、内容を式の形にする立式の力もつかず、その上、計算力の確認も出来ていません。
このやり方を『家で教えている』と思われているのなら、最初から『解答』を渡して写させた方が解説も付いているので早いのではないですか?

だから、我が教室で生徒に教えると「塾の先生はなかなか答えを言ってくれなくて時間が掛かる」って生徒の声が時々聞こえるのです。
保護者も「早く出来るテクニックや裏技を教えてやって下さい」って言われる方も居られます。

今日の宿題を全て埋めて終わらせれば満足ですか?
今日のプリントや問題の答えが『まる』になれば安心ですか?

今後の模擬試験や入試の時にも隣でアドバイスしますか?
今後は「たった一人で答えられる力」を付けてくれないと困るのです。
学校のテストではそこそこの点数を取る生徒が、塾で模擬試験を受けると想像以上に失点します。生徒や保護者からは「ここの問題は難し過ぎる」と言われます。
これは、普段の小・中学校の授業や定期テストが前述の「式と答えを説明する授業」が多いからです。
これは「学校の先生の責任」ではありません。
解けない生徒が「先生の説明が分からない」と言い、それを聞いた保護者が「先生の教え方が・・・」と、『簡単に答えを欲しがる生徒』とそれを擁護する保護者が多すぎるからなのです。

だから小・中学校では「良く出来る子」との評価だった生徒が、何故か高校生になった途端に『激下降』するのは、この勉強方法の間違いが原因なのです。

用語・ルール・問題の求めている状況を理解して、知っている知識や公式をどのように組み合わせれば対応できるのかが実力なのです。
「その内に付く力」では無いのです。

生徒が求めるままに、直ぐに答えを教えてくれる人を「優しい先生」と呼び、何度でも答えを言ってくれる塾を「分かりやすい塾」と呼ぶ人が多いですが、それでは実力になりません。

根拠・理由を基に順序だてて考える力を付けてやらないと意味がありません。

つまり、我が教室の対応は、前述の先生を求めている生徒・保護者にとっては「金ばっかりとって、子供が嫌がる、変な塾」なのですね。(涙・涙・涙・涙・涙・涙・涙・涙)