[2023年7月26日]
この言葉を最近よく聞きます。良いことだと思います。
しかし「負けず嫌い」と「勝ちたい」が微妙に違っていて、勘違い(履き違い)をされている保護者と生徒が非常に多いです。
負けず嫌いは読んで字の如く「負けたくない」ので勝てる方法を考えたり、勝つための努力をします。本気で勝つために最大限、自身が頑張ります。理想的です。
一方「勝ちたい」人は、勝った(と、本人が満足しさえすればよいので)気持ちが欲しいので、現実を変えたり本当に努力して実力アップをする“つもり”はないのです。
中学1・2年位までは、生まれつきの「天性」で、運動や勉強が周りの子より少しだけ抜け出ている子がいます。その、「勝ちぐせ(勝って当然)」が努力や我慢を忘れさせてしまいます。
一番多いのが、根拠も無いのに、誰かに「良く出来る」とか「すごいね」って言われた栄光を胸に自分を過信している子です。そんな子たちに聞いてみると「今まではこれでずっと成績が良かった」が自信になっているようです。
他に「私はクラスで1番できる」と自信を持っている小・中学生に「何でそんなに自信を持ってるの?」って聞くと、「クラスで計算が一番早いから・・・」とか「漢字テストがいつも1位か2位だから・・・」と、基礎的な小学低学年の根拠でした。
ただ勝ちたいだけの人の場合、他人や周りが「〇〇に行ったら上手くなったよ」とか「〇〇塾に行ったから■■に合格したよ」って聞くと、自分の性格や勉強法とは全く違っているのに“とにかく”〇〇塾に行きたがります。
他に「もっと上手くなりたい」とか「もっと強くなりたい」って言って、ただ単に〇〇教室とか〇〇塾に行ってれば、周りが他人が何とかしてくれて、出来なくても周りの責任にできることを知っています。「私、あれ嫌ら〜い!」とか「あれ、苦手〜!」と言ってれば、親が金の力で何とかしてくれる(本当は何とも出来ないけれど)ことも知っています。
段々年齢が進んでいくと、現実が見え始めます。「分かってるよ」「やってるよ」と努力も無しに結果だけを求める感情だけが残り、嘘や誤魔化しが増加します。
言い負かされることが我慢できないので、とにかく言い返して勝ちたい「気が強いだけ」の子になってしまったのも見たことがあります。
最悪、この状態で大人になると、挫折して「どうせ、私なんかダメよ」とか「これが私の運命よ」と投げやりになるか、まったく逆に、他人や周りの自分より優れている人を悪く言って評価を下げて、相対的に自分を高く見られようとする人もそれなりに見てきました。
これって、ある意味、犯罪の一歩手前ですよね。
昔から言われている「自分を2割高く評価。他人を2割低く評価」は、僻み(ひがみ)妬み(ねたみ)嫉み(そねみ)を生み、人事評価ミスや社内いじめの元になっていました。
改めて言います。
「負けず嫌い」は良いことです。勝つための最大限の努力や苦労をするのですから。
指導や指示に対して自分の感情よりも【素直】に【我慢】をしてくれますから・・・。
ですが、近年は「ただ勝ちたいだけ」「勝つ快感が欲しいだけ」で努力を怠る人が増加中です。
冷静に性格や行動を確認してみられると良いかと思います。子どもだけではなく、保護者もね。
あっ、またまた余計な一言を・・・・・・。ごめんなさい。