[2023年9月7日]
中学受験が終わると、突然の電話で「受験が終わりましたので、今日で塾をやめます」と言われることがあります。
もちろん、各家庭のお考えですので、私たちに否定したりする権利はありません。
しかし、「何故だろう」「この生徒、本当に大丈夫かな?」と思う生徒の保護者ほど、競うように急いで電話してこられます。
「学校で中の上」が自慢だった生徒&保護者。教室のある地域の地元小学校で中の上では偏差値40前後です。その生徒に短期間で受験に対応できるギリギリの知識をねじ込んで、ギリギリ私立中学に合格させた途端に、「家の子、あの〇〇中学に受かったんですのよ。すごいでしょ。やっぱり家の子頭良いわ。もう安心。後は〇〇中学が何とかしてくれるわ」的な旨の話をされます。
高校受験においても、同様のことはあります。
「家の子、中学校では中の上。だから◇◇高校(偏差55位)くらい充分に可能」と度々聞きますが、教室のある地域の地元中学校で平均点くらいの実力では、偏差値37〜39くらいです。どれ位の期間にどれ位の勉強をすれば『届く』と考えられているのでしょうか。
正しい取り組み意識と正しいやり方、正しい量が定着出来ていなかったから偏差37〜40位で留まっていたのではないでしょうか?いくら知識を大量に与えても、「残す」「覚える」「組み合わせる」「使う」が円滑に出来ていなければ実力アップには時間が掛かるのではないでしょうか?
「そんなことは無い。家の子は頑張るって言ってますんで…」との反論も多数回頂きましたが、それこそ「頑張る」の定義と認識の違いで、結果は私たちの予想通りのことが多数でした(涙)。
もちろん、苦しい中、我慢と努力を続け、本人たちの努力で目指すゴールに辿り着いた生徒もたくさん居ました。生徒・保護者は勿論でしょうが、私たちも安堵と喜びを感じていました。
通塾中には知識・テクニックは勿論ですが、間違った勉強方法を指摘して、今後続けて欲しい勉強方法を指導することにも注力しています。
当然、それを理解し、必死に改善してくれた生徒たちは、その後の成績は目に見えて上昇しています。
他にも気になることが。
受験に合格し、直ぐにやめていった生徒たちの言い分は「今まで、これで何とかなった」「受験で勉強したので自分は賢くなった。もう大丈夫」が多かったです。当然ですが、受験して進学したのに、今までの意識・やり方・量で何とかなったり、大丈夫だったりなんてありません。求められるレベルは急激に上がります。
継続して塾に来てくれた生徒でも、完全に「燃え尽き」状態や「合格で将来は保証された」状態になって、以前以上に【楽が一番】【学校が何とかしてくれる】【塾が何とかしてくれる】で、進学後に急下降した生徒も、不本意ですが見てきました。(それって、有名監督のクラブに入れば、確実にプロになれると同じ考えですよね)
進学前に、「進学したら、これ位のことが必要になるよ。だから、普通に付いていくだけでもこれ位やらなければダメだよ。今までみたいに『形だけ』『宿題だけ』では、絶対に付いていけなくなるよ」は、ず〜〜っと言い続けてきました。
頑張って意識と生活を変えた生徒は、進学後安定的に上昇傾向にあります。当然です。
「分かってるつもり」「何とかなるつもり」で従ってくれなかった生徒はジワジワ下降して低値安定です。原因はハッキリしています。間違いを指摘しているのに修正をしてくれないからです。そのことを保護者にお伝えしても「本人がやってるって言ってます」「本人の気持ちが大切です。私たちは本人の気持ちを・・・」って、結局退塾していきます。
例外として時々「塾やめたけど成績は下がってないよ」と自慢する生徒が居ます。よくよく聞いてみると塾で注意された「意識」や「行動」を実行してくれているからです。ある意味、私たちへの賛辞ですね。