[2023年10月26日]
「学校では中々成績が上がらなかったけれど、あそこの進学塾(一斉塾)に行けば、家の子も必ず成績アップできるはず!」
『いえいえ、学校の授業方法で伸びなかったのだったら、一斉タイプの塾で成績が上がるとは…』
「そんなことはない。家の子“だけ”は別です。家の子はやってくれる“はず”です」
「ええじゃん、自由でしょ」「人それぞれだから決めつけないで!」
入塾問合わせや進路相談の中で時々耳にするセリフです。もちろん、我が教室に入塾頂けなかった(我が教室は個別指導なので、選択肢にも入れて頂けなかったはずです)生徒の保護者の中には、このように考えられた方は多いと思います。もちろん自由です。そこを否定しているのではありません。
近年、人の話を聞きながら、ノートを取ったりメモを取ったり、理解したり考えたりと、大勢の中で幾つもの事を同時進行で出来る生徒が激減しています。
「聞く時は聞くだけ。ノートは後で別の時間を取ってもらう」という、小学校の授業が定着した結果だと思います。
その結果、セミナーとかでもメモをとることができず、説明会が終わってしまうと内容が残っていない人が増えました。塾の授業で説明しても、3分後にも残っていない生徒が増えました。
昔は、聞きながら理解し、聞きながら考え、疑問はその時質問し、大切なポイントはメモし、ノートも板書(先生が黒板に書いたもの)にプラスして自分の思う大切な部分を独自に書き込むなんて普通に出来ていました。
さて、最初の例の解説に戻ります。
現在の地元小・中学校の授業を見ていると、テストの答えと立式、解説を日常の授業でやっているようなものです(先生ごめんなさい。悪口じゃ無いですよ)。その、極限まで分かり易く説明してもらっている授業を理解したり暗記したりできない生徒が、ハイスピードで知識を一方的に投げかける一斉塾で、自力で受け取り続けることができるのか…?と思います。
しかし、お母様の意識には「有名」とか「進学塾」とか「〇〇ちゃんも合格した」とか「◇◇校に◎人受かったの言葉しか入ってないのだと思います。
分かってます。それこそ自由です。ご家族で話し合われた方向で行動なさって下さい。しかし・・・。
他にも、「別に、高校受験で無理をしなくても、現状のレベルで行ける高校でも良いんじゃない?家の子、高校に行ったら頑張るからって言ってるし。頑張れば公立の〇〇大学ぐらいなら行けるんじゃない?」
『えっ、高校のレベルに合わせた授業が行われますし、学校によっては、単元が省略されている教科書を使用しますので、共通テストで困りますよ』
「そんなこと無いです。家の子“だけ”はやってくれると思います」
「自分からやる気にならないと月謝が無駄だから、やる気になるまで放っとこう」「いつか気付くだろう」「いつか頭を打つだろう」なんて方も居られます。
『気付かなかったらどうするのですか?放置のまま何年も経過したら、その間の勉強はどうするのですか?小・中学の知識無くして、高校受験や資格試験は有り得ませんよ』
「そんなことは無い。家の子は必ずやってくれます。それに、思春期の一時的な無気力か、反抗期の当て付けかもしれませんし…」
『いえいえ、反抗期で態度や口答えは悪くても、やるべきことは分かっているはずですから、勉強だけはやるはずですよ』
「いや、家の子“だけ”特別かもしれません。家の子“だけ”は後でもやってくれるはずです」
「とにかく、学校のテストの点数さえ良ければ・・・」「家の子は学校のテストで高得点だから受験は安心」
『いえいえ、前にも言いましたが、学校のテストは入試とは違います。自分で考えて使えなければ・・・』
「そんなことはありません。こんなに高得点なんですよ。何でこれ以上、塾にお金を払う必要があるんですか?他の人は知りませんが、家の子“だけ”は大丈夫です」
『それで、入試はギリギリ、高校で苦しんだ生徒をたくさん見てきたんだけど…』
どうでしょうか?個人の自由ですけれど、家の子【だけ】はあまり考えない方が良いのでは?