[2024年9月10日]
「優しい彼氏が欲しい」「優しい先生が良い」「優しいお母さんが・・・」「優しい夫と…」と、
毎日、多くの場面で耳にします。
「優しいって何ですか?」とお尋ねすると、
「荷物を持ってくれる」「私に負担を掛けない」「何でも許してくれる」「決して否定しない」「全てを許して受け入れてくれる」と返ってきます。
ちょっと「〇がおかしい」のかな?と思われる特殊な答えが「何でも買ってくれる」「何でも許してくれる」「試験発表中でも友達とカラオケに行くって言ったら許して小遣いをくれる」まで出てきました。
大昔なら年寄りに「お前は天皇陛下か」「お前は女王様か」と叱られたもんですが、「天皇陛下」や「女王様」のほうが常識があり控えめですよね。
話を戻しますが、本当の「優しさ」って何でしょう?
相手の為を思って、嫌われても疎まれても「ダメなものはダメ」「甘えやごまかしは後に苦労するよ」と教え続けるのが「優しさ」じゃないでしょうか。
将に、親が子どもに持つ感情が、最高の「優しさ」なんじゃないでしょうか。
ところが、最近の「優しいお母さん」を自負しておられる方の行動をみていると、「何にも注意しない」「何でも許す」「何でも思い通り」を通し、【子どもに好かれよう】【子どもと揉めたくない】【疲れてるのに面倒は嫌】【だって責任は〇〇にある】と見なかったふりをして、放置しているように見える人が多いです。
【全部丸投げ】【全部金で買う】なんて最悪の方も居られました。
「甘やかす」と「優しい」は対極にあるとは言いませんが、「厳しい」と「放置」は対極だと思います。
近年の「成績不振」と呼ばれている生徒の大半が、この「優しい」を求めていますし、この生徒にしてしまった「〇カ親」ほど「私は叱ったり怒ったりの古いタイプの子育てはしません」と言われます。
「もっと家の子を分かってやって下さい」「もっと家の子をチャンと見てやって下さい」って言われた方も多く居られました。
見て、問題点が分かったから注意しているんでしょ。
今日、初対面の道端で出会った生徒を突然注意するほど、私は「変人」と思われているのでしょうか
「楽しい授業って何?」って聞くと「先生が面白い」「難しい話はしない」「笑わしてくれる」等の答えが返ってきます。
間違っても【授業】ですよ。吉本の漫才やルミネのコントを見ているんじゃ無いはずです。
要は、考えたり覚えたりしなくても、時間さえ経過すれば解放して楽にして貰える「保育」や「子守」を望んでいるようです。
本気で勉強を経験された方にすれば、本来の「楽しい授業」とは、何かぼんやりしていて苦手だった単元が、別の言い方や別方向からのアプローチをしてもらって「何〜〜んだ。そういうことか!分かった〜!」
となった瞬間だと思います。
つまり「楽しい授業」は【分かりたいと】【自主的に】【意識を集中】した生徒なら全員が手に入れられるものなのです。
ここまで説明して見えてきましたか?
成績不振の生徒とその保護者ほど、「優しい塾」「優しい先生」「楽しい塾」を最大の要望事項とされますが、だから成績が・・・。「だって子どもが・・・」「言うようにしないと行ってくれないから・・・」もだから成績が・・・ですよね。
高校・大学・社会人として「一人前」の「普通」の人になるための練習期間が義務教育期間だと思います。将来では自分も困り、周りにも迷惑を掛けてしまう事も、今(義務教育期間)なら取り返しがつきます。
苦労や我慢や責任をとる経験を今だからこそ、させてやってください。お願いします。