[2025年4月30日]
根拠は無いのですが、私の20年の経験からだけの話をします。
塾に通って来てくれる生徒には大きく3パターンありました。
ある生徒は自分の事、学校での事、家庭での事、部活での事、時には人間関係の悩みや恋愛の相談も。授業以外に自分から色々話してくれましたし、私や先生に意見を求める生徒も居ました。
「先生〜。お腹すいた〜」「今日、暑かったから水が無くなった。水頂戴」とおやつや飲み物を要求した生徒も何人か。教室の入り口に、生徒や先生や色んな方から頂いたお菓子が置いてありますが、そんな子はそれも「先生〜。これ貰っても良いの〜?」と嬉しそうに選んで持ち帰ってくれます。すると、段々親しくなって、勉強の質問も増えてきます。すると、当然どうなるか・・・。
その子のお母さんによると「家でお父さんと喋ってる量より、塾長と喋ってる時間の方が多いと思います。多分、主人より家の子のことを理解してくれてるかも…」と嬉しいお話まで。
人との会話が苦手な、おとなしい生徒も居ました。
質問すると何でもほとんど答えてくれますが、自分からはほとんど喋りません。先刻の入り口のお菓子も、自分から要求はしませんが、こちらから薦めると、嬉しそうに選んでました。これを続けていると、その生徒の考えや性格も少しづつ分かってきて、その後の指導やアドバイスにも色々役立ちました。その生徒からも質問の量が少しだけ増えてきました。
ほとんど喋ってくれない生徒も居ました。
聞いても黙っているか「別に・・・」とか「それは・・・」とか「いえ、ちょっと・・・」で殆んど情報は入りません。最悪のパターンは「お母さんが、個人情報だから、家の事は外で喋るなって!」です。当然、授業も他人行儀な言葉で進んでいきます。生徒からの質問も、解き方の根拠より解法やテクニックだけを単語で欲しがり坦々と終わってしまいます。
言葉は悪いですが「放っといて」や「関係ないじゃん」に感じてしまいました。
結局、学習方法や学習量も聞き出せず、生徒の実態が分からないので一般的なアドバイスを一方通行でするしかありませんでした。
ここまで話を聞いてどう思われましたか?
「喋らない生徒はもうダメだ」「ムダ話が出来ないと伸びない」なんて決め付けて言ってるのではありません。あくまでも私の経験の感覚です。
近年の子ども達の多くは「学校で先生が喋った事だけが勉強」「聞いたことだけを覚えておけば勉強は出来る」「今聞いたことを今書いて(つまり目の前の作業)〇もらえれば今後も優秀」の生徒が増加しています。何故なら、それさえも出来なくて、ゴソゴソ・キョロキョロの生徒が激増で、小学校の先生は、「自ら進んで興味をもって知りたがる」授業をやりたくても、授業にもテストにも適応出来ない子が多いのです。そんなレベルの授業とテストなのに、保護者はその得点に騙されて「家の子普通」「家の子スゴイ」と勘違いしてしまってます。
それを中学・高校になっても続けていると、自分の勉強方法や実力を勘違いしてしまいます。
自分は凄いのだから「もっと知識だけを・・・」「もっとテクニックだけを・・・」と指導者を【知識マシーン】の【道具・ツール】と認識してしまいます。
そりゃあ、私たち(塾長だけかな?)レベルの人間と『和合』したいなんて思いませんよね。
一方、いつまでも何でも話したり聞いたりしてくれる生徒には、受験の直前まで「手を変え、品を変え」アドバイスを続けてあげられるので、ギリギリまで学力は伸びてくれました。
「お金を払ってるんだから、家の子に合わせて勉強だけを説明してよ。家の子の事も先生の好みも関係無いでしょ」との保護者も居られました。そうです、その通りです。個人の自由です。
過去の多勢の生徒を思い出してみて、気付いたことをお話ししただけです。余談ですみません。