[2025年5月26日]
この仕事をしていると「親心」や「親バカ」「優しい親」「物分かりの良い親」等について色々考えさせられます。
もちろん「親心」は、大切な愛する子どもの将来を考えて、優しさも厳しさもどちらもを使って自分(親)が居なくなってもしっかりと生きていけるように育て見守ってあげることです。
「親バカ」は子育ての途中で起こる色々な場面で、厳しくしてあげられるのは親だけ、甘やかしてあげられるのも親だけの現象の、子どもを信じる親の姿を滑稽(多少の皮肉も込めて)に言い表したものです。
ここまでの親に反論も否定の気持ちもありません。問題なのはこの後です。
「優しい親」って何でしょう?
子どもの状況に応じて、厳しく対応するのも親ですし、優しく受け止めてやるのも親です。その中で、子どもに【ウケが良い】事だけを集中的にしてやると子どもが笑顔で穏やかに居てくれます。「優しい」「嬉しい」って子どもに言われると「嬉しくて幸せな気持ち」になり、親子喧嘩や言い争い等の面倒から逃れられるのでしょう。そればかりを集中的にしてあげる親御さんが居られます。そのことでしょうか。
更に「物分かりの良い親」ですが、子どもが全て正しくて何でも大人並みにできる子なら、子どもが言うことを全て認めて「OK」してあげれば良いのですが、【とにかく、何でも、内容を考えずに】「OK」してあげる親御さんも居られます。
とんでもない例をひとつ。
定期試験発表中に子どもが「友達とカラオケに行ってくる」と言うと「あっ、そう。気を付けてね。お金ある?」と止めもせず、お小遣いまで与える親は本当に「物分かり・・・」でしょうか?
さあ、ではここからは私の仕事の場面に当てはめてみましょう。
勉強のやり方が甘い生徒に「今後は、公式や用語の細部まで確認しながら説明できるまで時間を掛けて勉強するんよ」と指示したら、本当に素直にやってくれました。すると急激に成績上昇してくれたのは良かったのですが、頑張り過ぎて「疲れた悲壮な顔つき」になっていきました。お母様から「根を詰め過ぎて病人の顔つきになってきました。少し休憩させても良いですよね」と相談がありました。慌てて生徒と面談して一週間の時間配分を変えました。これこそ、本当の『親の目』だと思いました。
他に、何度注意しても適当で止めていた生徒をキツク叱って帰らせたら、21時過ぎにお母様に連れられて泣き顔で謝りに来ました「ごめんなさい。今度こそ言われた様にやります」と。お母様曰く、「本人が誤魔化していたので家で子どもと色々話して約束を決めて来ました」と。立派な親の対応だと思いました。
一方、何度話し合っても何度指示しても絶対にやってくれない生徒を叱ったら、お母様から「子どもが帰って来て、私はチャンとやってるのに先生が認めてくれないと言うんです」との電話が、翌週「子どもがもう行きたくないと動かないんです。だから今日で止めて他塾に変わります」と再度電話が…。「子どもの気持ちを尊重してやる」って言われていましたが、そう?
他に「今日説明した言葉と公式だけでも絶対に覚えて来るんよ」と毎回言っても絶対にやってくれない生徒。家で泣きながら親に「こんなにやっても怒られる。もう絶対塾には行かない」と言うと、親は「ここまで泣く程だから、この子にはしんどいんかな。もう出来んでもえぇ、止めさせろ」だそうです。
他にも、数学や国語のやり方が違っていた生徒に何回か説明して、ようやく平均くらい出来るようになったので、後少しで志望校が確定すると思い更に何度か説明すると「家の子は良く出来てる子です。出来ない子みたいに何度も言わなの手も・・・。子どもが迷惑がっています。しつこく説明せずに欲することだけ(直ぐに答えを)教えてやって下さい」とお叱りが・・・。
何が正しいのか分かりません。でも私はこのやり方しか知りません。20年もやってきたので・・・。