[2025年5月30日]
長年、多くの生徒や保護者と接してきた経験から、成績不振や成績下降傾向、成績伸び悩みのバックグラウンドに一定の特色があることに気が付いてきました。
「私の子なんじゃけぇしょうが無いが」と言われる方も居られますが、親の学歴は関係ありません。ご自身は不本意な高校卒なのに、子どもは全員有名大学に入れられた保護者も居られます。
もちろん、保護者に相当な勉強経験があれば、私たちの言ってることが伝わり易いことは間違いありませんけど・・・。大体の方は教育関係者じゃ無いので、ご存じ無くて普通です。
学校の現状や、受験への取り組み、学習方法や内容レベルが、保護者の頃と全く変化していることをご理解頂くのが最大の仕事です。何故なら、「これ位なら・・・」「私たちの頃は・・・」「ダメなら先生が注意してくれるはず」「通知表が中の上だから・・・」で気付くのが遅れて、手遅れになってしまった例も沢山見てきたからです。生徒は生徒で現状の「甘々」の学校しか知りません。誰かが言ってあげないと甘々が普通だと信じてしまい、大学受験時や資格試験時に大慌てか、一気に諦めるしかないのが現状です。生徒に注意しても「甘々」の「きれい事」が日常なので、私たちがいくら真剣に話しても現実味がありません。
生徒たちが使う言葉で「分かった」「今度こそやる」「今日から変わる」で本当にやってくれるのは、そこそこ成績の良い生徒です。1〜2度注意して、本当に分かって意識が変わってやってくれるのならそれまでの長い学校生活で変わっているはずです。
本当に学力の低い生徒は「〇〇を◇◇して、今日中に覚えてくるんよ」とか「試験勉強はこうやってするんよ」と具体的に指導しても、「うん分かった。やる」とか「やったもん」って答えてくれますが、ほとんどやってません。何故なら「分かる」とか「やる」の言葉の定義が間違っているからです。「覚えるんよ」と指示すると、1〜2回読んだだけで覚えて無くても「やったもん」「覚えたもん」と平気です。
では、何故子ども達はこうなっているのでしょうか。
文部科学省や教育委員会の指針に従って現場は「仕方なく」動いています。現場の思いや問題点とは別の考えで一方的に指示されるからです。さらに、その中での【きれい事】や【叩きやすい立場の人の事ばかり】をマスコミが大々的に報道します。仮に間違えていても殆んど訂正などしてくれません。その証拠に、自分たちは【超】有名大学を卒業していなければ入れない会社で仕事をしているのに、報道では「勉強なんて・・・」「人生やり直しはいくらでも・・・」とスポンサーの顔色ばかりの報道です。こうして、子ども達やその保護者に『受けの良い』内容ばかりを報道するので、考えていない視聴者は丸々信じ込んでいます。
基本的に、大々ニュースなんて【めったに起こらない出来事】だからニュースなんです。それを「ほら、だから家の子も学校なんか行かなくても頑張れば東大に・・・」とか「学校で落第生でも、本人がその気で頑張れば〇〇高校へ・・・」と。「だって、テレビで言ってたよ」とか「ネットで見たから間違いない」なんて、信じがたい発言をされる保護者まで・・・。
保護者の毎日の言動や行動の判断、優先順位、周りへの対応を子どもたちは見ています。毎日刷り込まれていってます。当然子ども達も同じ判断をすることが増えてきます。
保護者が「家の子も聞けば・・・」「習えば・・・」「教えて貰えば・・・」「その内何とか・・・」「私と揉めずに機嫌良く・・・」の行動をされていると子どもも・・・。
最近増えているのが「親の叶わなかった夢や趣味を子どもに・・・」です。野球やサッカーでレギュラーに成れなかった自分の悔しさを、子どもに託している場合があります。考えられて託されている場合は生徒は勉強と両立出来ています。しかし、勉強より【夢の実現が優先】の場合は・・・。
「兄弟姉妹の上の子は成績良かったので、私の子育ては・・・」と言われる方も居られます。子どもは一人一人性格は違います。たまたま上の子が自分で大きくなったのでは?
「子どもがその気になるまで待つしかない。子どもの人生だから私たちは・・・」の方!
もし、いつまでもその気にならなかったら、死ぬまで子守りをされる予定ですか?
「毎日の時間管理」「約束」「優先順位」「丁寧さ」「言行一致」は子どもの価値観に影響を与えます。昔から「子は親の鏡」「親が変われば子も変わる」と申します。 又々失礼致しました。