[2025年6月12日]
超有名な「ことわざ」ですが、皆さんご存じですよね。
蛇足ですが意味・解説として、「人に情けを掛けておけば、それが巡り巡って、やがて自分に良い事がまわってくる。だからどんな場合にも、人には親切にしておくべきだ」と言う意味です。
今さらですね。失礼しました。
話しはここからです。
このことわざの話は度々出るのですが、私が接してきた生徒の95%、保護者の70〜80%が知りませんでした(正確に言うと、間違えた意味を理解して使っていました)。
その解釈のほとんどが「他人に安易に情けを掛けると、その人が調子に乗り安直に人を頼るようになるのでその人の為にならない。だから他人には情けを掛けない方が良い」です。
どうですか?綺麗ごとを言いながらも、他人を突き放し、自分の利益だけを求める現代を時代反映していると思いませんか?
他人には情けを掛けてはいけないが、自分には【皆んなで】【優しく】【親切に】【手を掛けて】欲しいという風潮です。
友達には「きれい事」だけ言いながら、「私の時には心配して」「アドバイスして」「助けて」って言ってる中学生を見ているようです。
家庭でも同様です。親は仕事で時間が無いのに「送っていって」「あっ、忘れてた。今日提出じゃった。すぐ書いて」「何で洗濯できてないんよ〜」「えっ?言ったじゃ〜ん」と要求や親を責めるセリフは多いのに「だってクラブが・・・」「分かってるよぅ。後でするよぅ」とか「だって皆んなが・・・」「俺より低い奴は・・・」と自分には絶対責任追及をせずに【温情】だけを掛けて欲しいとの会話が多く聞こえます。
私たちや学校現場で聞こえてくるのは「あの先生とは相性が悪いわぁ」「先生、宿題多過ぎるわぁ」「えっ、ズルいわぁ、そんなん習ってな〜い」「あの先生、厳し過ぎるわぁ。ちょっと宿題忘れたぐらいで・・・」「またテストの点数が下がった。平均も下がってるし、先生の教え方が悪いんじゃない?」です。
我慢や努力は強制せずに、どうすれば『楽して知らない内に簡単に成績を上げて【くれる裏技】をやってくれるか』の与えられるものばかりを感じます。
近年のお母様方の「優しく」とか「子どもの意志を・・・」とか「人並みに・・・」が・・・。
『情けが仇』
『情けも過ぐれば仇となる』
になってしまってるんですかね(涙)
私たちも、今後の成績推移や受験での苦痛・困難を考えて、色々話したり、時には叱ったりすると、生徒本人はもとより、保護者からも「放っといて下さい」「家の子の人生ですから」「家の子の望むようにしてやって下さい」なんて、考えられない仕打ちを受けたことがあります。
まさに『情けを仇で返す』状態でした。
情けって何でしょう?掛けない方が好まれる世の中なんですかね。世知辛い世の中ですね。